18話 ページ23
そしてこの騒動は私にとって悪い方向へ展開していく｡
｢おはよう＿＿｣
そう言いかけて､背筋が凍る思いがした｡
『他の女の敵 男たらし』
黒で机の上にそう書かれていた｡
｢…はぁ｣
大体､そういう予感はしていた｡そういう予感がしていたのは漫画の読みすぎか｡
＿＿こんなの､雷堂に見られたらどうなるだろう｡
彼が登校する前に､私は急いで雑巾を濡らした｡
3時間目｡
｢ん…?｣
2時間目の休み時間までそれは確かにあったはずだった｡
数学の教科書が､無い｡
｢ねぇマコちゃん､誰か私の数学の教科書持って行かなかった?｣
｢え､無いの?｣
｢うん､さっきまであったんだけど…｣
マコは頭上に｢?｣が付くほど頭を傾げた｡
｢ごめん､変な事聞いた｣
｢…ううん､けどそれ､嫌がらせじゃない?｣
朝のことを思い出し､その事も視野に入れる事にした｡
その時間は､隣の雷堂に教科書を見せてもらって乗り切った｡
｢ごめんね､雷堂くん｡教科書見せてもらって｣
｢気にすんな…にしても､Aが忘れ物なんて珍しいな｣
｢…うん｣
会話をしたのはそれ切りで､それから目すら合わせなかった｡
昼休み､数学の教科書は他の男子のロッカーの中で見つかった｡
さて､この日々が何日続いたのだろう｡日に日にエスカレートしていくばかりだった｡
｢部活に顔を出さないと決めた以上､どこかで時間潰さないとなぁ…｣
何とかブツブツ言いながら昇降口を出た｡
バッシャアアアン!!!
一瞬だけ何が起きたか分からなかったが､髪から足までこの短時間でびしょ濡れになっている｡
空は相変わらず晴れていて､そこで初めて水をかけられたのだと気づいた｡上を見るが人影は無い｡
一体誰が､何の目的で｡
｢…A?｣
そうこう考えていると､ラントがこちらに気付き動作をピタッと止めた｡
｢…ラントさん｣
｢誰にやられた｣
ズカズカと歩み寄りながら問い迫ってきた｡
滅茶苦茶怖い｡
｢晴れているのに濡れているのは不自然極まりないだろう｡イジメというものでは無いのか?｣
｢…そう､でしょうか｡私がラントさんやリュウスケと仲良くしているから…｣
｢それを妬んでいるのだろう｣
取り敢えず保健室に来い､話はそれからだ｡
そう言ってラントは足早に去っていった｡
｢…失礼します｣
｢A…お前いじめられているって本当かよ｣
｢何っ､A先輩が惨めだと!?｣
｢ジンペイ君､違うから!｣
保健室に行くと､そこには皆が居た｡
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ウエサマ(プロフ) - キリノ様〜続きを書いてくだせ〜 (2022年7月13日 18時) (
レス) @page42 id: 1442eac3b7 (このIDを非表示/違反報告)
キリノ(プロフ) - コメントが付いた…だと！？花音さん、ありがとうございます！そう言っていただけると励みになります♪これからもゆったり更新していく予定なのでよろしくお願いします！ (2021年3月2日 21時) (レス) id: fda9b97bde (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノﾒﾗちゃんったら皆がいるかもなのに大胆(*/□＼*)続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2021年3月2日 20時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
キリノ(プロフ) - 感想などこちらにお寄せください！出来る限り返答します！ (2021年1月13日 8時) (レス) id: fda9b97bde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリノ | 作成日時：2020年12月30日 12時
