10話 ページ12
｢A､どっか行きたいとことかねぇのか?｣
｢行きたい所…そうだ!｣
行きたい所と聞かれて真っ先に思い浮かんだ場所があった｡
｢タピオカを飲んでみたい!｣
と､わがままを聞いてもらって今一緒にタピオカ屋に並んでもらっている｡
｢…飲んだことねぇのか?｣
｢私地方から来たから､流行り物の食べ物とか縁がないんだよね｡1回でいいから飲んでみたかったんだ｣
｢…ふぅん｣
どんな飲み物なのだろう｡ワクワクしながら順番を待った｡
｢あれ?Aとメラ君じゃん!｣
話しかけて来たのは､クラスメイトのマコだった｡
｢マコちゃん､偶然だね｣
｢一緒に並んでるってことは…付き合ってるの?｣
｢ううん付き合ってないよ!?｣
付き合っていることを全力で否定した｡
｢えー?でもメラ君と仲良いじゃん｣
｢…そう?｣
仲がいいんじゃない､私が雷堂を好きなだけだ｡本人の前であんまり話さないで､とわざととぼける｡
｢おいA､前｣
｢う､うん｣
それじゃあまた､と私はマコと別れた｡
｢……｣
そのマコが黙って私を睨んでいた事を､私は知らない｡
｢これが…タピオカ…!!｣
私が注文したのはタピオカ黒糖ミルクだ｡もちもちした食感が癖になりそうで､いつまでも噛んでいられる｡
｢甘い…もちもち…おいひい…｣
｢語彙力無くなってんぞ｣
｢美味しいんだもん…!雷堂くんも1口､はい!｣
この美味しさを布教せずにはいられない｡私は雷堂に飲んでみてとストローを口に押し込んだ｡
｢んぐっ…!｣
突然の行動に彼は驚いていたが､1口飲むとストローを口から外した｡
｢…甘ぇな｣
｢でしょー!?でも美味しい!!｣
そう言いながら私はまた1口飲んだ｡
｢…なんか､ハイテンションだな｣
思わず｢ん?｣と聞き返す｡
｢勢いでお前…か､関節キスしちまうからな…｣
…今､何と?
私が､雷堂と?
｢関節キ…!?｣
｢自覚なしかよ!｣
暫くタピオカ黒糖ミルクは飲めなかった｡
｢楽しかったー!｣
デートと言われ緊張したが､逆にハイテンションになったので良かった｡
｢今日はありがとう!｣
｢いや､Aを誘ったのは俺だからな｣
｢…でも良かったの?雷堂くん好きな人いるんじゃ｣
当初からの疑問を素直にぶつけると､雷堂はその場で立ち止まった｡
｢…その事なんだがよ｣
雷堂は私に向き直る｡私も自然に緊張した｡
｢俺は…｣
そう彼が言いかけた時､彼の後ろに不穏な影が走った｡
その影はそのまま彼に＿＿
｢＿＿雷堂くんッ!!!｣
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ウエサマ(プロフ) - キリノ様〜続きを書いてくだせ〜 (2022年7月13日 18時) (
レス) @page42 id: 1442eac3b7 (このIDを非表示/違反報告)
キリノ(プロフ) - コメントが付いた…だと！？花音さん、ありがとうございます！そう言っていただけると励みになります♪これからもゆったり更新していく予定なのでよろしくお願いします！ (2021年3月2日 21時) (レス) id: fda9b97bde (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノﾒﾗちゃんったら皆がいるかもなのに大胆(*/□＼*)続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2021年3月2日 20時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
キリノ(プロフ) - 感想などこちらにお寄せください！出来る限り返答します！ (2021年1月13日 8時) (レス) id: fda9b97bde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリノ | 作成日時：2020年12月30日 12時
