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1話 ページ2

「………」
寮生活が始まって一日がすぎた。「寮の部屋に入れるのは女子の特権だよ」と言いながらお泊まり会という名の質問時間がエンドレスリピート…そのお陰で夢でも質問攻めされた。
「…眠い」
当然疲れも取れるはずが無い。だが、それでも重い瞼をこじ開けて学校へ行く準備をした。

…本当に疲れているのだろうか。登校する最中にいつも以上に怨霊を目にした。
「…おはようございます」
「「お早う!!」」
昨日質問攻めを私にした男子が口を揃えて挨拶を返してくる。
「元気がいいですね」
思わず苦笑いをした。雷堂の隣に座る。
「はよ、A」
「おはようございます…」
「疲れとれてねぇのか?」
昨日の寮生活のことを話すと、雷堂は目を見てしっかり聞いてくれた。
「…そういうわけで、朝から疲れているんです」
「…女子ってすげえな」
雷堂は女子に対して呆れを通り越して賞賛を送っていた。
「そういえば、獅子黒さんがいませんね」
「あぁ、あいつはな」
__ほかの怨霊連中とどっか行ってるぞ。
「…他がいるんですか?」
「YSPって、知ってるか?」
聞いたことがある。霊的な力を持っているものたちの総称…だったような。
「聞いたことはあります」
「少なくともこの学校にいるんだよ。そいつらの怨霊と一緒にどっか行ってる」
「そうなんですか…他にも怨霊が見える人が…」
机に教科書やノートを置いて、授業の準備をする。
「…なぁ、A」
「はい?」
「敬語って語っ苦しくねぇか?」
「…堅苦しいですか?」
突然、雷堂がそう言ってきた。聞かれたことが分からなくてつい聞き返す。
「急にタメ口で話したら、距離近すぎませんかね…?」
「そうか?俺はAと仲良くしてえぞ。俺の性に合わねぇんだよな、敬語って」
「…雷堂さん」
「その「雷堂さん」ってのも禁止な」
私は、この人にタメ口で話していいのだろうか。馴れ馴れしく接して友人が離れていったことを思い出す。
「いい、の?…ら、雷堂くん」
「何が?」
「その…私がタメ口で話しても」
「っはは、んな事気にしてたのか、A」
「…っ」

『馴れ馴れしく話してこないで』
『気持ち悪い』
『化け物が見える変人』
タメ口で話して、そう言ってきた人達。私はここに居たらいけないと何度思っただろう。
だが、その私の心を、雷堂は救ってくれた。
「ありがとう…ありがとう…っ」
思わず涙が出る。

「先生メラがA泣かせた!」
「違う!誤解だ!」

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設定タグ:雷堂メラ , 妖怪学園Y   
作品ジャンル:恋愛
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ウエサマ(プロフ) - キリノ様〜続きを書いてくだせ〜 (2022年7月13日 18時) (レス) @page42 id: 1442eac3b7 (このIDを非表示/違反報告)
キリノ(プロフ) - コメントが付いた…だと!?花音さん、ありがとうございます!そう言っていただけると励みになります♪これからもゆったり更新していく予定なのでよろしくお願いします! (2021年3月2日 21時) (レス) id: fda9b97bde (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノメラちゃんったら皆がいるかもなのに大胆(*/□\*)続きがとても気になります( ;`Д´)これからも応援してます(^○^) (2021年3月2日 20時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
キリノ(プロフ) - 感想などこちらにお寄せください!出来る限り返答します! (2021年1月13日 8時) (レス) id: fda9b97bde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キリノ | 作成日時:2020年12月30日 12時

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