未練タラタラやん、俺もやけど。【白膠木簓】 (ページ3)

今日:5 hit、昨日:11 hit、合計:9,461 hit

Title 3 ページ3

.
.

丸1日の内、

3分の1の時間を会社に吸い取られていると思うと

腸が煮えくり返そうだ。

殆どが残業塗れで3分の1どころではなくなってるし

そろそろデモを起こしてもいい頃な気がする

と、まあ出来もしないことをつらつら並べ想像して

頑張って早起きして作ったお弁当をもぐもぐと頬張る

「先輩、身体壊しちゃいますよ?? 」

「あ"ー、大丈夫。体、元気だよ」

「私は"身体"を心配してるんですよ!!! 」

「そのままじゃ精神的にやられちゃいます」

と、後輩からの重い一言

彼女なりの優しさだろうに

この会社への怒りのせいで大分捻くれてしまった

それを素直に受け取れ切れない私も悪いんだけど

最近じゃお昼休憩でも身体を休めなくなったし

如何したもんか。

いっその事布団持参して寝るか、オフィスで。

「ちょっと喫煙所行くね」

「え!?先輩って煙草吸ってるんですか? 」

「え、??まあ…うん、」

「先輩凄く生真面目なイメージあったので……
勝手に吸わない方だと思ってました……!! 」

吸わない、イメージ……かあ。

「影響とかあったんですか??
それとも元から…… 」

「 ………………佐藤はどうなの? 」

「私、ですか??
私は、まあ………若気の至り…ってかノリで、」

煙草を吸う理由っていうのは

人によって異なるだろうし

別に大した理由なんてない人もいる。

殆どが後者なんじゃないかな

若い頃に手を出して、そのままハマるってのが

主流だと思う

私も別に、キッカケなんて些細なことだよ。

「元彼が、吸ってたから」

煙草を咥え、ライターのヤスリを回す

私の口元から広がる紫煙は

お世辞にも綺麗とは言い難い

らしくない理由だと思う

自分でも思う

「あちゃ。
元彼さんと一緒に吸ってたパターンですか」

「ううん、別れてから吸い出したの」

「え??別れてから?? 」

「 …そー」

吸っていた彼に憧れた訳じゃない。

でも当時は彼に近付きたくて吸いたがってたのは事実

それを体に悪いからって止められたっけ

もう今じゃ覚えてないけど

あー、でもそうだ、だからだ

だから別れてから吸ってやったんだ

.
.