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What is your name? ページ3

黒い髪の男の人は俺を見下ろす


俺が何と答えるのか待っている



『お、れは……五条家の、産まれ、だけど

五条家の、人間じゃ…ない』


ガラガラの声だった

久々に言葉を発したから



「は?」

少し目を見開いている


『捨て、られた』



後にそう続けると

黒い髪の男の人は

「そうか」


と言って刃物をしまった


なんで、

この人、僕を殺さないの?

なんで、

普通に話してくれるの?



『なんで?』


気づけば口から漏れていた


「何がだ?」

『殺さないの?』


そう聞くと黒い髪の男の人は


ふっと笑って


「ガキには興味ねぇよ、そもそも呪術師じゃねぇし」

『あの男は、呪術師だから、殺したの?』


「ああ、そうだ」



『なんで、俺と、話してくれるの?みんな、みんな、話しすることも、許してくれないのに』



みんなみんな俺を無視して

道具やものとして扱って



殴って、罵って、欲を吐き捨てて、




捨てて、壊そうとした



だけど、この人は


無視しない


“人”として見てくれてる、話してる




「……お前…名前は?」

『名前?ない』

ふるふると首を横に振る


「お前に興味が湧いた、来い」



黒い髪の男の人は


バキッと


鎖を踏みつけて壊す


俺の繋がれていた鎖から開放された


「俺は……伏黒甚爾だ。俺のことは甚爾とでも呼べ」


『とうじさん、』


舌っ足らずの口で黒い髪の男の人の名前を呼ぶ


甚爾「ああ、それでいい。外に出るぞ」



グイッ手を引かれ

持ち上げられる


そして、ポスっと

甚爾さんの腕の中に収まる


甚爾「ずいぶんと軽いな、お前。」


『あ、えと、甚爾さん?』


なんで抱き抱えられているのか

よく分からない

甚爾「お前、そんな格好で外出んのか?」


ふと自分の格好を見る


……服とは呼べない布切れ

それだけだった



やっぱりこの人は………



甚爾「これでも着とけ」


『わ、』

バサッと俺にかけてくれたのは甚爾さんの上着だった


スタスタと甚爾さんは足を進める


ガチャっと玄関が開いた









赤い、




真っ赤だ





ここに来るときに見た空とは



また違う






雲も多い



でも、



やっぱり、



綺麗だった

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呉崎珀(プロフ) - 誤字です、、、持っていなかったです。。。 (2022年2月13日 9時) (レス) id: 6ab63b5105 (このIDを非表示/違反報告)
呉崎珀(プロフ) - 今更ですが過去の私が漫画みっていなかった事で多少のズレや解釈違いを起こしていたので少し手直し致しました。まだ治っていないところもあるかもしれませんが、ご報告をさせていただきます。 (2022年2月13日 9時) (レス) id: 6ab63b5105 (このIDを非表示/違反報告)
呉崎珀(プロフ) - リム雨さん» これからも、頑張りますぜ! (2021年1月17日 0時) (レス) id: e638491e1a (このIDを非表示/違反報告)
リム雨 - 更新早………。お疲れ様です………! (2021年1月16日 23時) (レス) id: 5f562d56d2 (このIDを非表示/違反報告)
呉崎珀(プロフ) - 白瀬さん» はい!!ありがとうございます!これからの展開なかなかなので……!お楽しみくださいませ! (2021年1月16日 22時) (レス) id: e638491e1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:呉崎珀 | 作成日時:2021年1月10日 0時

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