第二十九話 rbr視点 ページ30
「そういえば、情報は抜けたん？」
「……今やっとるわ」
「じゃあ抜けてないんやな。乙」
「うっさいわ！！」
イラッときて噛み付くと、きゃらきゃらと愉快そうに笑われる。さらに腹が立って来たが、ふぅー、と深呼吸をして心を落ち着かせた。
少し間をおいて、認めるのは癪やけど、と心の中で呟きながら話を続ける。
「……、全部が全部未知の言語なんや。暗号かとも思ったんやけど、どのパターンにもいまいち当てはまらん。」
「へー。ようわからんけど、ロボロがまだ解読できひんって相当ちゃう？」
「せやねん。まっっじで手がかりも何もないねん。写真も何処にもヒットせえへんし」
教育係のエミさん待ちやな…とため息を吐きながら零すと、あんまり興味のなさそうな同意が返ってきた。
やいやいしているうちに食堂に辿り着き、両開きの赤っぽい扉を押し開ける。
そこにある長テーブルには既に料理が並んでおり、そこの割と手前の席に座っている人物を見て、思わずぎょっとした。
「なんで此処におんねん！！！！？？」
「うるっさ。てあれ、知らんやつおる。」
現実では一度も会ったことはないが、写真フォルダでよく見かけた顔。
友人や家族と思われる人たちと並び、その呑気な笑顔をカメラ向けていた、ある意味一番よく会っている人物。
コウと呼ばれる少年は此方を見ながら、ちょっと困ったような顔でもぐ…と口を動かした。
「エミさん、アンタか連れてきたんは？？」
「ま、まぁまぁ落ち着いてロボロさん。これにはちゃんと理由がありまして…」
思わず若干喧嘩腰になりながら言うと、エーミールは若干焦ったように顔を引き攣らせながらわたわた説明を始める。
曰く、新しい言語を話せるようにするには、リスニングが肝心なのだと。とにかく耳を慣れさせ、パターンなどを覚えさせるのが一番良いのだと言っていた。
色々言いたい気持ちを飲み込んで、そうか、とだけ短く返す。
「ならええわ。変なことでも企んどるんかと」
「え、私ですか？？」
「ちゃうわ！そっちの…あー、コウの方。」
『？』
自分の名前が出てきたので、呼ばれたと思ったらしい。その細い目でじっと此方を見つめ直してきたので、なんだか妙に居心地悪く感じた。
「へー、コイツが例の？」
「ちょ、オイッ腕を乗せんな！」
のし、とそれなりの重みが頭にかけられる。
上を見ると、シャオロンがにやにや笑いながらこっちを見下ろしているのがわかった。
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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います！多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン？なの初めて見ました！めちゃくちゃおもろいです！応援しとります！頑張ってください！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノ | 作成日時：2022年9月14日 1時
