第十六話 ページ17
こんにちは皆さん、僕です。
たった今僕は身の危険を感じています。
誰か助けてください。僕より。
脳の回転が止まってしまって、変な方向に思考が逸れていく。
騒がしい脳内とは別に、僕は椅子に座ったまま硬直してしまっていた。
理由は単純、天井の…もっというなら、ダクトから音が聞こえたから。ガタンッと、明らか誰かいるだろう、みたいな大きめの音。
空の食器を下げてくれたメイドさんはもう居らず、部屋にも、そして多分この部屋の近くにも僕以外誰もいないはずだった。
「……だれ、か、いるの？」
ダクトの通気口を見上げながら、恐る恐る声を掛ける。
先程の物音以来しんとしているが、生憎平和な街でのほほんと暮らしてきた僕には気配の有無なんかわからない。判断材料は音だけだ。
そして多分、これは物凄く耳を集中して澄ませたからこそわかることだけど、まだ彼処には誰かいる。
僕は身長は高いわけじゃないが、低くもない。椅子に乗り上げれば天井までは余裕で背が届く。
覗く？けど誰かが本当にいたらマジで怖いし、いたとして僕には対処できない。
うーんうーんと暫く固まったまま頭を悩ませてから…軈てなけなしの武器である羽根ペン(先端が尖ってるから)を手に持って、ダクトの下まで移動した。
丸椅子を持ってきてから靴を脱ぎ、その上に乗り上げる。
「…あれ、…空いてる？」
こういうのって空いてるもんだっけ？と首を傾げてから、えいっと鉄製の穴の空いた板を押し上げ、
「……」
『……』
目が合った。
そっと板を元に戻して椅子から降りた。
「怖い怖い怖い怖い怖いほんとに怖い」
一瞬だった上暗がりだったからよく分からなかったけど、多分あれ、緑の人だ。とんとんさんとえーみーるさんの仲間？の…
僕に対してあまり良い印象を持ってないんだろうか。何でこんなとこまで、っていうかダクトで何してるんだろ本当に。
隠れるところが思いつかず、咄嗟にベッドの下に潜り込んだ。もし見つかっても、引き摺り出されるまでは生き延びていられると思ったから。
『…いや、何してんねん』
「！！」
きゅっと口元に当てた手を握る。がたがたとダクトの板が外れる音がして、それから直ぐにベッドの下ににゅっと顔が覗いた。
悲鳴を喉で押し殺して、狭い空間で縮こまる。え、まさか僕暗殺されるの？映画みたいに？
ぷるぷる震えて、けど目線を離せずにいたら、少しの間の後大きな溜息を吐かれた。
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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います！多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン？なの初めて見ました！めちゃくちゃおもろいです！応援しとります！頑張ってください！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノ | 作成日時：2022年9月14日 1時
