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第十三話 tn視点 ページ14

「トントン様」
「おう、どやった?」
「お食事はきちんとなされていましたよ。綺麗に平らげてました。」


 少し物足りなかったのかもしれません、というメイドさんの報告に、思わず苦笑する。
 言われてみればまだ年頃の少年のように見えたし、思ってる通りなら彼はまだまだ食べ盛りのはずだ。
 下手したらゾムやロボロくらい食うかもしれんな、と思いつつ、そうかとだけ返した。


「あと、お部屋でのご様子ですが」
「おん」
「何か書いていらっしゃいました。」
「!…内容は?読めたか?」
「いえ、それが…全く知らない言語で。」


 すみません、と眉をハの字にして頭を下げるメイドさんに、慌てて謝ることではないと伝える。
 しかし、…コウに付けた彼女(目の前にいる女性のことだが)、ここのメイドに就くその前はとあるお屋敷で教育を施されていたと聞く。
 どんな経緯なのかは知らないが、その甲斐あってか簡単な暗号や外国語ならば読めるはずだった。
 その彼女がパッとみて分からないとなると…


「ロボロ班案件やな、これは」
「申し訳ありません…」
「いやええよ、アンタはようやってくれた。お疲れさん。」


 もう仕事に戻ってええでと言うと、彼女は一礼して去っていく。
 その背を見送ってから小さくため息を吐いて、自分の部屋へ戻っていった。


「お、トントン。おかえりー」
「…なんでおるんやシャオロン」
「書類提出」


 赤いプレートのはめ込まれたドアを開くと、何故かこの部屋の主人ではない黄色がそこに居た。
 wrwrd国幹部の1人、シャオロンだ。
 彼はひらひらと数枚の紙の束を見せつけてから、それを重厚そうなテーブル…の山積みされた書類のてっぺんに置く。


「で、聞いたでトントン。不審者やって?」
「耳早いな、ゾムか?」
「いや、ロボロや。」
「そっちかー。」


 話しながらテーブルに近寄り、提出された書類を手に取ってざっと目を通す。日付を見れば期限ギリギリのものだったが、まあええやろ、とまた書類を山の上に置いた。


「なんかアイツ騒いどったけど、結局どうするん?その不審者」
「不審者やなくてコウな。とりあえず今は客室で待機させてるわ。多分、“保護”になると思う。」
「りょ。もうグルッペンには話したん?」
「いや、まだや。あと…」
「?」
「…あー、後で話すわ。なんて言えば良いのかわからん。」
「何や?気になるなぁ」


 じゃあ夕飯の時にな、と笑いながらシャオロンは流してくれた。

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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います!多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン?なの初めて見ました!めちゃくちゃおもろいです!応援しとります!頑張ってください! (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニノ | 作成日時:2022年9月14日 1時

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