34話 ページ37
22：30
カチカチカチ
時計とタイピングの音だけが響く中、
キーボードを叩く手をとめ、時計を確認する。
まだ、こんな時間か......
作業を始めたのが22:10からだから、まだ20分しか経ってない
お酒を入れたから軽い倦怠感があるが、それが気持ちいいくらいだ。
高揚感があったから編集も進むと思っていたが、どうやらそうでもなかったらしい。
風にでもあたりに行くか............
そう思い、椅子から腰を上げ、リビングへ足を運ぶ。
若干のお酒と食べ物の残り香が鼻をかすめる。
冷蔵庫からペットボトルを取り出して、ソファの上で寝ていたイクを見る。
マサイ：起こした？
イク：ん......
俺が部屋から出たときの気配で起きてしまったんだろう。
ソファから体を起こして、キョロキョロ辺りを見渡す。
イク：え、俺寝てた？
マサイ：うん。水あるけど飲む？
イク：ん、みんなは？
マサイ：下で二次会。さっきの生放送の反響ネットニュースになってる。トレンド入りもしてるし。
起きたばかりで覚醒してないからきっと、八割以上聞き流してるだろうww
冷蔵庫から水を取り出し、まだ夢の中にいるイクの隣に座る。
コクコクしながら起きようとしてる姿が可愛い。
イク：ありがと。すぐお暇するよ。魁もそこ？
同居人であるモトキの所在を尋ね、部屋から出ようとするから、引き止める。
マサイ：うん、でも、まだいなよ。色々聞きたいことあるし
イク：？？？？尋問？
マサイ：そんなとこ。
イク：二次会、俺がいたからいけなかったよな、ごめん。
眉を寄せ、申し訳なさそうに謝る。
マサイ：俺も編集あった。
イク：そか、
マサイ：本当だから
嘘だと思ったのか顔を顰めたから、安心させるために念を押した。
拗ねるなんて子どもっぽくて愛嬌がある。
イク：ふふ、そか
俺の意図を汲み取ったのか、ふふ、と微笑みながら同じセリフを吐く。
恋人にするようなその笑顔は優しさに溢れてる。
だから、勘違いしてしまう。
ドロドロしてるだろうな、今俺がイクを見る視線は......。
友人に向けるようなそれでは無いってきっとシルク辺りには気づかれてる。
勘も鋭いし、周りをよく見てるからな。
だって、あいつも俺と同じ感情をイクに抱いてたんだから。
いや、今も抱いてるんだろうな......。
イク：水、頂きまーす。
マサイ：どーぞどーぞ。
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suga(プロフ) - 奏さん、コメントとご指摘ありがとうございます！励みになりました！使い勝手がままならないので、再度あるかもしれませんが、その都度直したいと思います！本当にご覧頂きありがとうございます。 (2019年12月21日 21時) (
レス) id: 39a88c02ba (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 初コメしつれいします！面白かったので一気に読んでしまいました！！これからも御自分のペースで更新頑張ってください。誤字というかミスだと思うのですが名前が活動名と一緒になってしまっています。把握お願いします (2019年12月21日 1時) (レス) id: c5346e137e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suga | 作成日時：2019年11月17日 20時
