拾われました。 (ページ5)

今日:4 hit、昨日:14 hit、合計:264,648 hit

甘い香りに誘われてページ5

ラウールside

夜、小腹がすいた僕はアイスを買うために近所のコンビニへ足を運んだ。

行きの道では気付かなかったけど、帰りの道。

地面に座り込んでいる男の人がいた。

この大雨の中、傘もささずに

その人は手元にあるはずの傘も無いもののようで、黙って空を見上げていた。

少し遠くから見てもわかる悲しそうな顔。

泣いているのだろうか？

そしてほんのり香る甘い香り

心配だということも混ざり声を掛けた。

その人の目は赤くなっていて、泣いていたことがわかった。

《助けてあげたい》

僕はそう思っちゃったから、見捨てるなんて選択肢はなくて

色々話しかけてみたり、ルームメイトの目黒蓮に助けを求めた。

・

涙を流す彼はとても儚く、すぐにでも居なくなってしまいそうだった。

家の中まで連れて来てもらい、僕は急いで大きなタオルを取りに行った

ずぶ濡れになったその人に渡せば、優しい目で『ありがとう』って。

何があったのかなんて分からない。

それに、俺には全く関係の無い事だし口を出すつもりも興味もない

でも、純粋にこの人を助けてあげたい。救ってあげたいと思った。