眠そうな ページ22
・
｢だけど、やっぱり遠慮する｣
小野寺｢…なんで｣
｢JTは強いじゃん｣
小野寺｢そうだけど…｣
｢しかも、小野寺太志っていう全日本選手がいるでしょ？｣
小野寺｢ふふっ、いるね｣
太志が笑う。
全日本選手がいるチームに私が行く必要はない。
もう十分教えたから。
分析もしたし、彼らの弱点もまとめた。
それは登録メンバーに対しても一緒。
小野寺｢じゃあ、深津さんにも？｣
｢そうだね、旭弘さんにもデータを渡してあるから｣
小野寺｢…それじゃ、どこのチームに行くの？｣
｢…まだ決めかねてる。私が行きたいって言っても、そのチームがいいよって言うかはわかんないし｣
そのとき、石川くんの声がした。
ついでに誰かもう一人いる。
そしたら｢あっ｣って言う太志の声がした後に、その別の一人の声が聞こえた。
柳田｢おはよ｣
｢…おはようございます？｣
柳田｢お前、ドイツに来ないってどういうことだ｣
｢ああ、柳田さんか｣
柳田｢来るんじゃなかったのかよー…｣
｢行くって言ってません！｣
眠そうな電話越しの柳田さんの声。
たぶん石川くんにでも起こされたんだろう。
そりゃこんな時間…、うわ、もうすぐ2時になるじゃん。
明日も仕事なんですけど。
すると柳田さんが、｢関田のこと行くの？｣と言う。
なっ、
｢なんで関田さん！？｣
柳田｢…え、まだ付き合ってないの？｣
｢付き合ってないです！！｣
柳田｢はやく返事してやれよ、待ってるぞあいつ｣
｢わかってます！しかも関田さんのチームには行きませんから！｣
柳田｢は？じゃあどこ行くんだよ。パナソニック？JT？サントリー？｣
｢まだ決めてないですって！｣
寝起きでも話が鬼のようなスピードで進んでいく。
私が焦っていると、｢全日本選手がいるチームには行かないらしいですよ｣と、太志の声が聞こえた。
ナイスだ！
柳田｢…なるほどな。日本のレベルアップをしようってことね？｣
｢そうです｣
柳田｢でも、それじゃ4チームくらいしかないぞ？V１だろ？｣
｢4チームもあるって捉えましょうよ｣
柳田｢…食えない奴｣
｢ふふっ｣
私がするべきなのは日本の力になること。
海外に行くのは自分のレベルアップをする人だけだ。
私が行ったところで、誰の為にもならない。
やっぱり私は誰かを支えることが好きで、引き立て役がいい。
柳田｢…あとで、やっぱドイツ来とけばよかったって後悔しても知らねーからな｣
｢大丈夫です、しないんで｣
柳田｢…うざっ｣
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なほ - 次は山内さんの待ってます☺️ (10月10日 22時) (
レス) @page37 id: 2f4a7dab68 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 好きすぎて何度も読ませてもらっています(笑)マジで、え、花さん神？って思いました(笑) (2021年9月24日 0時) (レス) @page36 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンしました。大好きです（笑） (2021年5月6日 3時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - inu1elenaakさん» はい！お楽しみに〜！！！ (2019年12月18日 20時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
inu1elenaak(プロフ) - スピンオフも楽しみにしております。 (2019年12月17日 19時) (レス) id: 9a39b8e204 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花
| 作成日時：2019年11月13日 21時
