検索窓
今日:5 hit、昨日:68 hit、合計:361,502 hit

日本のバレー ページ20






自覚してから、遥たちにからかわれるようになった。

LINEでも電話でも。

いつどこで何をしていてもその話になる。

「Aの鈍さにはびっくりする」って。

…そんなに鈍いかな?

















そして今日、男子のW杯が終わった。

最終戦の対カナダではスタメンをガラッと変え、石川くんや有志は途中出場。

最後は、有志の連続サービスエースで終わった。

西田有志。彼は本当にすごい。

これからもっともっと成長していくだろうし、日本の未来を背負うだろう。

このW杯で大きな爪痕を残した彼らは、これからそれぞれの道を歩む。

…もう、この全員で、このメンバーで戦うことはないかもしれないのだ。




「もしもし…?」

石川「ごめんAさん。起きてた?」

「…寝てた」

石川「ほんとごめん」




夜中の一時頃、電話をかけてきたのは石川くんだった。

今日、死ぬ気で仕事を終わらせてきた私は、ビール片手に試合を見て、いつものように分析をして、最後の仕事を終わらせた。

…総合マネージャーとしての。

私が総合マネージャーになってからの分の仕事を他の人がしてくれていたから、そのツケが回ってきた。

だから今、仕事が死ぬほど忙しい。

ジムのインストラクターは体力が重要だから。

しかもありがたいことに、私をご指名してくれる方が多いのだ。

…嬉しいけど、大変よ。




「どうしたの?」

石川「…ありがとう、いままで」

「ああ、全然!仕事ですから」

石川「…やっぱさ、イタリア来ない?」

「…はー?」

石川「俺たちのチームならAさんのこと、いらないとか絶対言わないし!」




石川くんが早口で言う。

この前お断りしたはずなんだけどって言ったら、それでもって粘る。

…困ったな。




「だめ、行かない」

石川「…なんで?海外だから?」

「うーん、それもあるけど」

石川「じゃあ、なに?」

「…日本のバレーが好きだからかな」

石川「…」




うん、そうだ。

私は日本のバレーが好きだ。

人種的にどうしても身長が劣る日本が、繋いで繋いで、アタッカーに一点を託す。

ほかの国がしてないってわけじゃない。

最後まで諦めずにボールを取りに行く国もある。

だけど、彼らは身長があるからそれに頼ってしまう。

そりゃあ、長身から打たれる鋭角なパワーサーブだけで点数が取れるなら楽でいい。

サーブも大きな武器になる。

だけど、一人で決めてしまったら、バレーの面白味がなくなってしまう。




行きません→←好きなんだ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (358 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1148人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なほ - 次は山内さんの待ってます☺️ (10月10日 22時) (レス) @page37 id: 2f4a7dab68 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 好きすぎて何度も読ませてもらっています(笑)マジで、え、花さん神?って思いました(笑) (2021年9月24日 0時) (レス) @page36 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンしました。大好きです(笑) (2021年5月6日 3時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - inu1elenaakさん» はい!お楽しみに〜!!! (2019年12月18日 20時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
inu1elenaak(プロフ) - スピンオフも楽しみにしております。 (2019年12月17日 19時) (レス) id: 9a39b8e204 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年11月13日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。