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「坊っちゃんが女性をお連れするなんて珍しいですね」
「あぁ、こんな夜道を一人で歩かせる訳にも行かないと思ってな。頼めるか?」
「はい。勿論でございます。さて後ろの席にお乗り下さいマドモアゼル」
『ま、マドモアゼル?!』
黒塗りの光沢感のある外国産の車のドアを開き、執事さんはどうぞと会釈をした
アンビリーバボーな展開に思わずポカーン、としてしまう
「何をしている。さっさと入れ」
『す、凄い。小説の世界だけだと思ってた……』
「これも小説だけどな」
『お黙り下さい!坊っちゃん!』
「それで呼ぶな」
何やかんや言いつつ、6シーターの真ん中にお邪魔させて貰った
各座席には液晶モニターが付いていて、音を聞けるようにそこからベッドフォンもぶら下がっている
飛行機のファーストクラスのような設備に心底驚いた
これ、フィッシュ・オア・チキン?っていつ聞かれてもおかしくないよね!
だって、ここにCAさんが搭乗してても何も違和感ないもん!
けど、彼にとってはこれが当たり前なのか……
格の違いを思い知った
改めて私こんな人と仲良くしてるんだ。凄いなぁ
彼の顔を見ながらそんな事を考えていた
「何を見ている」
『私、浅野くんの偉大さに関心してるんです!』
「フッ。ようやく気が付いたか」
『はい!仲良くしてくれてありがとうございます!浅野家のご子息様と親密になれて光栄です!』
「……Aも僕の権力や財力がめぼしいと思うのか?」
浅野くんは少し悲しそうな顔をした
……何か誤解してるみたい
そりゃあ、こんな車凄いと思わない方がおかしいけど、私にとってそれは二の次だ
『いいえっ!そう言う事じゃなくて、浅野くんみたいな上の立場の人がこうして対等にしてくれてる事が嬉しいんですよ!距離が近い感じがしていつも一緒に居て楽しいです!えへへっ』
「おい、お前うるさいぞ。人の車でぺちゃくちゃ喋るな」
『えぇ。聞いてきたのに酷い!』
本当にうるさかったのか、浅野くんはヘッドフォンを装着して、窓の方を向いてしまった
そんな私達のやり取りを見て、運転席に居る執事さんがクスリと笑った
「坊っちゃんと仲がよろしいのですね」
『はい!浅野くんとは委員会が一緒何です!』
「そうですかマドモアゼル。少なくとも坊っちゃんはそうは思って無さそうですよ」
『え?』
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潰れたいちご(プロフ) - この作品、「好きだから。」という曲がピッタリだと思います!よければ聞いてみてください! (2022年5月9日 19時) (レス) @page25 id: 2cda77c812 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - ご協力感謝致します!(*´-`*) (2019年6月20日 23時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 私も、授業中とか種転がってないかさがしてみます!!(笑) (2019年6月20日 23時) (レス) id: 2a3b3aad81 (このIDを非表示/違反報告)
オタク少女(プロフ) - ハバネロさん» じゃあまた2人をいじる材料を探しますね!(黒笑) (2019年6月20日 21時) (レス) id: 3dab4c0edd (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 御二方お便りありがとうございました!喜んで頂いて何よりです!またラジオをいつも盛り上げて下さるのは私では無く、このようにお便りを下さるからですよ(*´ ∨`)シチュエーションを考えるのが凄く楽しかったです!これに懲りずまた何かあればお申し付け下さい! (2019年6月20日 21時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年6月7日 12時