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「何見てんの」
視線がぶつかった拍子に、赤羽くんに睨まれる
彼の照れた顔を思わずボーっと見詰めてしまった
反応が予想外だった
……ってきり勝手に親に会うなとか言われるんだろうとばかり思っていたのに
「ちょっと、あんまり見ないでくれる?」
彼はそう言って口元を抑えて目を逸らした
何かさっきより赤くなってて、余裕が無さそう
どうしよう。赤羽くんが私の事で赤くなっているのが嬉しい
……Sのスイッチってこうやって入るのかな?
その瞬間、自分の中で何かが吹っ切れた
もうこの際だ。イヌを辞めていいと言っときながら、ドキドキするような事ばかりする矛盾だらけの彼をギャフンと言わせてやりたい
私は彼の元に近付いてガン見することにした
とりあえず作戦決行のために、席を立って彼に詰め寄った
「な、何」
急に近付いて赤羽くんは少したじろぐ
けどそんなのお構い無しに私は下から彼を見上げた
内心ドキドキしているがあくまでも何とも思っていない風にして
……照れろ照れろ、と暗示を掛ける
「え」
照れろ照れろ照れろ
「そんな目で見られても困るんだけど」
そう言って彼はまた目を逸らした
けど、無駄だもんね
目線を合わせるように彼のネクタイを引っ張って、無理やり私の顔が視界に入るようにするから
そう彼のネクタイを力強く引っ張ると、赤羽くんはバランスを崩して私の顔に迫ってきた
あ、強くし過ぎた
そう思った時には、彼の唇があと数ミリの所まで来ていて
『……んぅ!?』
微かに柔らかい物が唇に触れた気がした
『うわぁぁあっ!ごめんなさぁぁあっい!』
物凄い勢いで顔が熱くなって、慌ててネクタイから手を離して無我夢中で教室を飛び出した
私、何もそこまでするつもり無かったのに!
事故とは言え、自分からキスしちゃうなんて!!
死にたい!
*
「わーおっ。Aってば大胆」
学校に着いて親友にちょっかいを出していたら、業がやって来て何やら良い雰囲気だった
だから邪魔者はとっとと去ろうと思っていたけど……
ぶっちゅうと派手にやってるもんだから釘付けになるのも仕方が無い
あの後Aは謝罪しながら飛び出して行ったけど
業の方は壁に背を付けてそのままズルズルと床にしゃがみ込んで何か呟いている
「……何なのアイツ」
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潰れたいちご(プロフ) - この作品、「好きだから。」という曲がピッタリだと思います!よければ聞いてみてください! (2022年5月9日 19時) (レス) @page25 id: 2cda77c812 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - ご協力感謝致します!(*´-`*) (2019年6月20日 23時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 私も、授業中とか種転がってないかさがしてみます!!(笑) (2019年6月20日 23時) (レス) id: 2a3b3aad81 (このIDを非表示/違反報告)
オタク少女(プロフ) - ハバネロさん» じゃあまた2人をいじる材料を探しますね!(黒笑) (2019年6月20日 21時) (レス) id: 3dab4c0edd (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 御二方お便りありがとうございました!喜んで頂いて何よりです!またラジオをいつも盛り上げて下さるのは私では無く、このようにお便りを下さるからですよ(*´ ∨`)シチュエーションを考えるのが凄く楽しかったです!これに懲りずまた何かあればお申し付け下さい! (2019年6月20日 21時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年6月7日 12時