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噂と言うのはあっという間に広まるものだ
私より遅く登校して来た莉桜に捕まって、現在色々聞き出されているところである
「早く吐け!」
莉桜はダンッと机を叩く
『違うんです!刑事さん!私は何もしていないんです!』
「嘘を付かない!そのスリッパは何!」
『こ、これは中靴が!そう、中靴がゴミまみれになっていたんです!だから捨てました!ごめんなさい!』
「違うね。まだ何か隠してる事あるでしょ?そのスリッパは職員室に行かないと借りれないよ?どうやってそこまで行ったのかって聞いてるの!」
『うぐ。浅野くんにお姫様抱っこされましたけど何か!?』
「はい。✕月✕日午前8時頃現行犯逮捕〜」
コノヤロウ!何言わしてくれてるんだよ!
それにこんだけ噂が出回ってるなら次、十さんに何されるか分かったもんじゃないな……
筆箱が捨てられて、靴箱がゴミだらけになってどんどんエスカレートしているのは確かだ
次狙われるとするなら、浅野くんが居ないタイミング……すなわちこの教室で何かが起こる!
私なりに食い止めねば!
我ながら名推理をしていると、莉桜が前の席に着いてきた
「そう言えばさ。いつの間に浅野と仲良くなったの?」
完成に刑事役を放棄して莉桜はいつも通りの表情をする
……スイッチを切り替えるの、いつも急だよね
『んーとね。委員会が同じで色々相談乗って貰っててそれで仲良くなったって感じかなぁ。あ、そうそうこの前、専属の執事さんからサイン貰ったんだけど見る?』
「それはいいや。あんたの人脈どうなってんの?」
『私、赤羽くんのお母さんとも知り合いだよ』
「へぇ〜。Aチャン何で俺の親知ってんの?」
そう言って何処からともなく赤羽くんがやって来た
肩に手を置かれて心臓が跳ねる
『こ、この前家に行った時ちょっと話しただけ』
「何の話したの?」
『……赤羽くんの話』
「俺の?」
『うん。嫌な事されてない?って聞かれたから赤羽くんって根っから悪い人じゃ無いって言ったんだよ……』
「え。マジで」
もお!赤羽くんが間髪入れずに質問してくるから……
あー、言っちゃった!恥ずかしい!
パタパタと手で仰いでいると、莉桜が良い物を見たように笑っている
「おやおや〜?お二人さん顔赤いですよ〜?」
『え』
彼女がそう言ったもので、思わず頬を赤くした彼と目が合って
ドクン、と脈が波打った
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潰れたいちご(プロフ) - この作品、「好きだから。」という曲がピッタリだと思います!よければ聞いてみてください! (2022年5月9日 19時) (レス) @page25 id: 2cda77c812 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - ご協力感謝致します!(*´-`*) (2019年6月20日 23時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 私も、授業中とか種転がってないかさがしてみます!!(笑) (2019年6月20日 23時) (レス) id: 2a3b3aad81 (このIDを非表示/違反報告)
オタク少女(プロフ) - ハバネロさん» じゃあまた2人をいじる材料を探しますね!(黒笑) (2019年6月20日 21時) (レス) id: 3dab4c0edd (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 御二方お便りありがとうございました!喜んで頂いて何よりです!またラジオをいつも盛り上げて下さるのは私では無く、このようにお便りを下さるからですよ(*´ ∨`)シチュエーションを考えるのが凄く楽しかったです!これに懲りずまた何かあればお申し付け下さい! (2019年6月20日 21時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年6月7日 12時