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「やっと片付いたな」
『はい。ゴミ屋敷を掃除してる気分でした』
たかが靴箱だと舐めてかかったら、全部ゴミを出すのに5分くらいは掛かった
ご丁寧に中靴の中にもゴミが詰められていて、もうこんなの履きたくない
排除したゴミと一緒に捨てる事にした
『浅野くん。来客用のスリッパって何処ですっけ?ウェアー・イズ・スリッパ!』
彼は、お前はこんな目に合ってると言うのに能天気だな、と言う顔をしている
『へへん。だってこんな事で凹んでたら相手の思う壷じゃないですか!』
「僕はまだ何も言ってないぞ。それよりAは強いな。一人で戦える強さがある」
感心したように彼は「恐らく武道の道に向いてるぞ」と言い、何故か空手をオススメされたけど……
この人何言ってるんだ?
『いやいやいや!違いますよ!誤解してます!私が耐えられるのはいつも浅野くんが傍に居てくれるからです』
そう言って微笑むと彼は少し赤くなっていた
「ハハッ。さすが、僕が気に入った女だ」
やれやれ、と参ったように彼は近付いてきて
次の瞬間、下駄箱に立ち尽くす私を軽々しく抱き上げた
『ふぁぁあっ!?何してるんです!?』
正しく彼がしている事はお姫様抱っこで……皆の目が凄く痛い
「出血大サービスだぞ。裸足だと歩けないだろうからこのまま職員室に連れて行ってやろう」
『いいです!そんなサービス要りません!私歩けますから!』
彼の腕の中でジタバタ暴れていると、睨まれた
「おい、黙って甘えたらどうだ?じっとしていないと落とすぞ」
『うぇっ!?落とすの!?降ろすの間違いじゃ無くて!?』
「あぁ。頭から落としてやる」
『怖いっ!』
そんな事されたら馬鹿に拍車がかかる
絶対に落とされないように私は彼の首元に腕を回して、密着した
これでもまだ怖いので、一応念を押しておこう
『絶対に手離さないで下さいよ』
「あぁ。僕は一度目を付けたものは手に入れるまで離さないよ」
『そんな事聞いてません!』
なんか、浅野くんってたまに話通じないよね!
*
「わぁ〜!見て見て業くんっ。Aちゃん浅野くんにお姫様抱っこされてるよぉ」
綾瀬さんと登校して、学校に着くと早々に嫌な物を見てしまった
飼い主として少し彼女を野放しにし過ぎた
犬ってのは順位付けをするらしいね
つまり俺がAにとって一番になれば良いって訳だ
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潰れたいちご(プロフ) - この作品、「好きだから。」という曲がピッタリだと思います!よければ聞いてみてください! (2022年5月9日 19時) (レス) @page25 id: 2cda77c812 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - ご協力感謝致します!(*´-`*) (2019年6月20日 23時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 私も、授業中とか種転がってないかさがしてみます!!(笑) (2019年6月20日 23時) (レス) id: 2a3b3aad81 (このIDを非表示/違反報告)
オタク少女(プロフ) - ハバネロさん» じゃあまた2人をいじる材料を探しますね!(黒笑) (2019年6月20日 21時) (レス) id: 3dab4c0edd (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 御二方お便りありがとうございました!喜んで頂いて何よりです!またラジオをいつも盛り上げて下さるのは私では無く、このようにお便りを下さるからですよ(*´ ∨`)シチュエーションを考えるのが凄く楽しかったです!これに懲りずまた何かあればお申し付け下さい! (2019年6月20日 21時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年6月7日 12時