佰 ページ5
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「華ノ衣さん。ちょっと俺と話しようよ」
旧校舎の教室に夕日が差す。荷物を背負って外に出て行く自分以外の生徒達を窓から横見し、赤羽業は立ち去ろうとしていた高嶺の花の根を掴むように、腕を取った。
『貴方が私に話ですって？今更仲良くしろ、とでも言う気かしら？笑わせないで頂戴』
掴まれた腕を払って教室の出入り口付近で彼女は鼻で笑う。
「は？俺がそんな玉に見えんの？奥田さんみたいにお人好しじゃ無いんだからさ」
磁石のM極とS極のように反発し合う彼女らだが、頭脳明晰な所と嫌いな人間はとことん嫌いだ、と言うハッキリとした性格だけはある意味馬が合っていた。
彼は腕を組んで扉からすぐ近くにある机の上に腰を掛けて、顎を引いて下から女の顔を伺った。
「あんたさぁ、最近授業で寝てばっかだよね」
『えぇ。あんな環境じゃ欠伸が出るもの』
「授業受ける気が無いならさ、何で
華ノ衣の事情を知らない彼がそう疑問を持つのは仕方が無い事であった。
彼女は一瞬脳裏に父親の顔を思い浮かばせて、次にイリーナを筆頭とした教師陣の顔を想像し、嘲り笑う。
『居心地が良いからに決まっているじゃない』
「へぇ。俺にはそうは見えないけど」
『別に貴方にどう映ろうが関係無いもの。最近は大人しくしてあげてるじゃない。何かご不満でも？』
「不満があるから、今あんたと対峙してるじゃん」
『そう。一応、聞き耳だけは持ってあげるわ。私はヒエラルキーの最下層ですから』
犯罪者予備軍の碌でもない腐った人間なんて放っておけば良いものを、最近は教師陣がやたらと構う。
茅野カエデや奥田愛美等の心優しい生徒達が教室の雰囲気を少しでも良いものに変えようと、自ら挨拶をしていたり、時には手助けをしていたりしたが、その度にこの女は突っぱねるもので、真近で見ていてどれも彼の納得が行くものは無かった。
俺達と一括りにされたくない、では済まされないようなもっと大きな壁が彼女との間には存在していて、何かを隠す為のカムフラージュをしているようにも見えた。
「お互いの環境を壊さない程度に、もっと上手くやっていけないかな？」
『言葉足らずよ。具体的に仰って下さる？』
「まず授業の邪魔をしないでくれる？それと友達になれ、とは言わないからさ、最低限のマナーとして茅野ちゃん達と話す事出来ない？」
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ハバネロ(プロフ) - うさぎさん» 私も好きです！！(*´-`*) 練りに練ってめちゃくちゃ頭使っている小説なので、褒めて貰えてお涙チョチョギレです！どうぞ最後まで楽しんで行って下さいませ。 (2020年4月3日 0時) (
レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです！！！！！最近のお話はますますおもしろくなってきて、更新が凄く楽しみです。これからも応援しています！ (2020年4月2日 23時) (レス) id: d0074b3142 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 偽善少女さん» コメントありがとうございます！^^ いよいよこのお話も佳境に入って来ました！最後まで見届けて頂けるととても嬉しいです！ (2020年3月25日 0時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
偽善少女(プロフ) - すごく面白いです！！次のお話が楽しみです！頑張ってください！ (2020年3月24日 3時) (レス) id: 04840ecaec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハバネロ | 作成日時：2020年2月4日 19時
