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痛い
胸が痛い
胸骨の当たりを鋭い物で貫かれたまま刺さり続けて── 取れない痛みに襲われる
廊下で声を押し殺して、私は一人で泣いていた
彼との繋がりを全部失って、残ったものは皮肉にも彼に対する感情だけだった
私何でもっと早く気が付かなかったんだろう
あの時口に出して初めて理解したのだ
【私はやっぱり貴方の傍に居たいです】
いつの間にか、心の奥底にはこんな気持ちが眠っていた
私はずっとそれから目を逸らしてきて、知りたくなくて……
赤羽くん何か好きじゃないって否定し続けて
でも、もう膨れ上がった気持ちに嘘は付けなかった
彼の言葉に行動に一喜一憂して、時に苦しくなって辛くて切なくて……
今も物凄く辛いのに心の中から赤羽くんが消えてくれない
最後までどうして優しくしたの?
こうなるなら、いっその事許さないでくれた方が楽だった
それにこんな形で認めなくなかった
今更、貴方が好きだなんて言っても報われないのに
馬鹿だ。私すっごい馬鹿だ……
好きだよ赤羽くん
私、貴方の傍に居たいの
今ならどんな命令をしても良いから、
私のこと好きって言ってくれなくて良いから
赤羽くんの隣にいれるだけで十分だから
傍に置いてよ……
*
「A?泣いているのか?」
頭上から声が聞こえた
顔を上げて見ると、そこに居たのは赤羽くんじゃ無かった
私は生徒会長に手を取られて立ち上がると、彼の胸元で子供のように泣きじゃくった
それと同時にキーンコーンカーンコーンと昼休みの終わりを告げるチャイムがなった
「どうしたんだ?何でそんな顔をしている」
『うわぁぁあんっ。浅野くんん。わ"だし、失恋しましだぁぁぁあ』
「おい、僕の制服に鼻水を付けるな」
『ごめんなさいぃぃぃい。でもこんな時くらい優しくしてくれたっていいじゃないですかぁぁぁ』
「A、今の顔不細工だぞ」
『酷いよぉおおおぉ!そんな事言われたら、違う意味で泣くよぉぉおお』
「うるさいから、とりあえずこっち来い」
授業が始まるって言うのにズルズルと引き摺られて、私は女子トイレに無理矢理入れられた
何だよあの腹黒生徒会長
渋々、私は顔に冷水を掛ける
キュッと蛇口を捻って、鏡を見ると目と鼻が真っ赤だった
『私こんな顔してたんだ』
これじゃあ授業なんて出れないね
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ハバネロ(プロフ) - 咲来(名前)さん» コメントありがとうございます!(*´ ∨`)とにかく明るくて、馬鹿っぽい女の子を書きたかったのでそのように言って貰えて良かったです!現在パート3まで出ているので是非そちらも読んでみて下さいね^^ (2019年6月18日 22時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
咲来(名前)(プロフ) - 主人公がとってもおもしろいくて、私大好きです、もちろんカルマ君も大好きです、これからも応援してます! (2019年6月18日 13時) (レス) id: aedff0aee4 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - あんな、ケンカを売るような言い方でしたのに、許して頂いてありがとうございます。 これからも、この小説を楽しみにさせていただきます (2019年5月27日 8時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
ハバネロ(プロフ) - 鶴さん» いえいえ大丈夫です(*´-`*)この件に関して鶴さんが責任を追う必要はございませんのでご安心下さい。今後このような事態を起こさない為にもしっかり対応の方をさせて頂きますので、いつも通り作品を楽しんで下されは幸いです(*´ ∨`) (2019年5月26日 18時) (レス) id: acb4ef891f (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - 作者様私のコメントも不快でしたり、誤解を招く可能性がありました不快にさせてしまいましたら大変申し訳ありません (2019年5月26日 13時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハバネロ | 作成日時:2019年5月17日 1時