純愛プリンス (ページ46)

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終礼後、
先生に用あって職員室行くから待ってて！と龍我に言われ

下駄箱近くのベンチに腰掛けた。

下校する生徒やこれから部活に向かう生徒たちを横目に
今日は何を食べようか考える。

次はパンケーキなんてどうかな

クレープも食べたい気分だなぁ

龍我は何食べたいかな、

飛貴「あっ、A」

浮かれて考え事をしていたら、突然目の前に現れた飛貴

思わず背筋が真っ直ぐ伸びて
それがおかしかったのか、優しい顔で笑われる

飛貴「なに今の、可愛いね」

可愛いなんて、そんな簡単に言わないでよ。

「お互い予定あるし今日は一緒に帰れないね」

飛貴「龍我と楽しんできなよ！」

「はーい」

飛貴「今度は俺ともデート行こうね！」

“ デート ”という言葉で胸が高鳴ってしまう

きっと、飛貴にとってはそんな深い意味はないのに。

「どこ行きたいか考えといてね」

飛貴「Aと一緒ならどこにだって行くよ」

その一言で照れてる私には目もくれず
じゃ、気をつけて、なんて言って歩いて行っちゃって

冷たい奴だなー、なんて。

スマホに目をやりながら、ローファーを履いてる
飛貴の後ろ姿から目が離せない。

飛貴と放課後遊ぶなら、どこに行こうかなぁ

さっきの発言が本心かは分からないけど、
私も飛貴と一緒なら、どこへだって行く。

？「浮所くんっ」

1人の女の子が、目の前を横切ると共に

ふわっと香ってくるいい匂い。

艶のある綺麗なロングヘアの彼女は
笑顔で飛貴の元に駆け寄る。

望月さんだ。

望月「ごめんね、待たせちゃって」

飛貴「大丈夫だよ。行こっか」

文化祭がきっかけで私たちは望月さんと仲良くなった。

話してて楽しいし、すごく良い子だし、
友達になれてよかったと思う。

でも、だからこそ

望月さんが分かりやすく飛貴のこと好きなのは、
すごくモヤモヤしてしまう

飛貴の彼女でもないのに
取られたくない、って思っちゃう自分がいて

自分がどんどん嫌になる。

そんな望月さんが飛貴と待ち合わせしてたわけだから

私の頭は真っ白で。

飛貴の今日の予定って、望月さんとデートだったの？

仲良いことは知ってたけど

2人きりで出かける程の仲だったの？

美男美女ですごいお似合いだし、
付き合うのも時間の問題なのかな

なんならもう既に付き合ってる可能性もあるよね

色んな想いが頭の中をぐるぐる駆け巡る

無理だよそんなの

勝ち目ないよ。

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