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丁寧にラッピングされた袋を緊張で震えた手で渡す。好きな人に限らず人になにかものを渡すときは必ず緊張してしまう。もし相手のいらないものを渡してしまったら…と考えるだけで寒気がする。
受け取ったドラコに開けていいか聞かれ、首がとれる勢いで頷いた。
袋の中に入っていたのは正方形の箱と2つの小さい袋。
正方形の箱にはチェーンネックレス。小さい袋には細いフープピアスとボールピアス。2つ共ミニサイズ。
｢ネックレスとピアス…？｣
『あ、いや、ドラコがピアスあけてないのはわかってるんだけど、もしあけるならこれが似合いそうだな〜って思っただけで…別にいらなかったら燃やすなり魔法で壊すなりしていいよ！！』
必死なのがダダ漏れで恥ずい。
私がお金持ちだったらダイヤモンドとかD!orとかたくさん買って貢げたのに。
やっぱお坊ちゃんにこんな庶民的なプレゼントを渡すなんておこがましいよね。反省します。
｢いや、気に入った｣
ん？？気に入った？それを？ドラコが？
はぁ、こんなにも嬉しい日があっただろうか。
今ならドラコの好きな物をいくらでも買える気がする。気がするだけね。
『ほ、ほんと！？よかった…』
｢明日から付ける。感謝するよ｣
『うんっ！』
ドラコの表情がいつもより柔らかくて、別れたあと私はその場にへたり込んだ。
やばい好きすぎる。ねえなんでそんな顔するの？勘違いしちゃうじゃん。
顔が赤くなってにやけが止まらない今の私の顔はきっと閲覧注意。
今日はすごくいい日だった。
今日はみんなとお別れの日です。つまり夏休みね。
いつもなら離れるのが寂しくて泣いちゃうんだけど今回は違います。
｢るあ、日本でも元気でね｣
『ハーマイオニーも元気でね！！』
｢君が僕ん家に泊まりに来てくれたらなぁ…｣
｢僕達ロンの家に泊まるんだ｣
『えっ、そうなの！？私もいきたかった〜…』
内心ラッキーとか思ってついガッツポーズしそうになったけど、がんばって耐えていつも通りの自分を装う。
もう察してると思うけど今年の夏休みに私はみんなに内緒でロンの家に凸っちゃいまーす！！！
いやこれだけ聞くと迷惑極まりないけどお泊まり会にお誘いされてるし許してくれるよね。
でも部屋の数足りないっていわれて追い出されたらどうしよ。私野宿しなきゃじゃん。
いや、ロンだから大丈夫か。
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作者名：ちるあ | 作成日時：2022年12月28日 0時
