無気力な番外編�� ページ33
夜月Aという男は、非常に顔が宜しい。
闇のように黒い髪に。
ルビーのように淡い輝きを持っている訳ではなく、どこか深く暗い赤い瞳。
雪のように、否、白雪姫もびっくりの白い肌。
極めつけは、その顔の整い具合。
若干無表情やジト目が気になるが、それをカバー出来るほどの美形男子なのだ、夜月は。
入学早々、彼の噂はヒーロー科だけに留まらず、他の学科にまで及んだ。
残念ながら、読者の大好きな轟焦凍くんを抜かす勢いの、屈指のイケメン(という設定)なのだ、夜月は。
だから____
「す、好きですっ……！付き合って下さい…！」
この手の場面も、彼にはよくあることらしく。
毎度毎度同じ内容の呼び出しに、そろそろ夜月はうんざりしていた。
本当に傍から見ればクソみたいな性格だが、彼は呼び出しを面倒臭いと思っているし、告白自体どうでもいいと思っている。
はあぁぁぁ……と、深いため息を吐きながら、夜月は相手の女子の方を見る。
ふんわりとした柔らかい、若干巻き髪体質なのか毛先が丸くなっていて。
目はしっかり二重で、大きい。
雰囲気的にも、ふわふわとしたガーリー系の女子。
多分、男性諸君からすれば守ってあげたくなるようなタイプの女子だ。
その女子は、夜月に見られたせいか少し頬を染める。いやどこがいいんだこいつの。
「俺キミのこと知らないんだけど。」
_____クソみたいだ。本当に。
夜月の言葉に少しばかり肩を揺らす女子。
そりゃそうだ。
ずっと見ていたのに相手は自分の存在すら知られていなかったのだから。
多少覚悟を決めていたとはいえ、ここまで直球ストレートで来られると精神的ダメージはかなり大きいだろう。
「僕が知らないってことは、多分認識もない。直接話したこともない。
なのにどうして付き合えるなんて言えるのか。後々本性知って後悔して面倒臭い事になると思うんたけど。」
淡々と告げる夜月の声を、聞きたくないというかのように耳を塞ぎ俯く女子生徒。
そして、しばらくして。
「ーーっ！！」
_____何も言わずに、走り去った。
一人ぽつんと残された夜月は、また静かにため息をついて座り込む。
そして後頭部をガシガシと掻きながら、呟いた。
「恋仲とか…意味わかんねぇし…。
そもそも俺の性格で相手幸せに出来る気しないわぁ…。」
あの子可愛かったな、とぼんやりと思い浮かべながら。
彼は午後の授業を全てサボった____。
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黒弧(プロフ) - えっと！絵を書かせていただいて、Twitterで、出しました。黒弧って調べて見てください。 (2022年8月16日 12時) (
レス) id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
キラー(プロフ) - saaaaans!!! (2018年7月26日 7時) (レス) id: 88d1b4cedc (このIDを非表示/違反報告)
豆(プロフ) - まじめに兎赤とスガさん尊いさん» ありがとうございます！夏休みに入ったので1日1話更新は出来そうです！頑張ります！ (2018年7月21日 12時) (レス) id: c76cbdbc0f (このIDを非表示/違反報告)
まじめに兎赤とスガさん尊い - すごい面白いです続編楽しみにしてます！！更新頑張ってください！Pulsultra！！ (2018年7月21日 8時) (レス) id: 496f43dffa (このIDを非表示/違反報告)
１０ - 文ストじゃなかったらごめんなさい (2018年7月11日 17時) (レス) id: f7f7d35321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆 | 作成日時：2018年7月1日 23時
