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るぅとくんに引っ張られて着いたのは、学校から5分程度のところにある、彼の家だった。
「…落ち着きました?」
暖かいココアの入ったマグカップを差し出しながら、そう不安そうに聞いてくる彼に、軽く頷くと、るぅとくんは安心したような声を出した。
「なにがあったか聞いても大丈夫ですか?」
『…あのね、』
そう言って、さっき起こったことを喋りだす。
るぅとくんにしっかりと伝わるよう、言葉を選んで、ゆっくりと口に出していく。
『…で、るぅとくんが来たの』
最後の言葉を言い終わると、彼は少し唸ってから顔をあげた。
「それってころん先生が悪くないですか?告白させたあげく、婚約者がいるって」
『まぁ…そうなんだけど…』
"勝手に期待した私も悪い"なんて、恥ずかしくて言えなかった。
「けど…?」
『…いや、なんでもない』
「そうですか…」
るぅとくんに貰ったココアを喉に流し込む。
暖かくて、涙が出そうな味がする。
『…いっかい、』
「…え?」
『もう1回だけ、話し合ってみようかな。ちゃんと"好き"って言いたい。』
「いいと思いますよ」
私の甘い考えを、彼は笑って肯定してくれた。
なんて優しくてかっこいい友人なのだろう。
「でも、とりあえず、今はそのココア飲んで、ゆっくりしてください。目、腫れてますし。」
そう言われ、慌てて鏡で確認すると、確かに目の下が赤く腫れていた。
『うわ…最悪』
そう言えば、彼は笑ってくれる。
つられて、私も笑い出す。
まっててね、先生。
ちゃんと、好きって気持ち、伝えるから。
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千景(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございます…曲自体が素敵な歌なので、雰囲気壊しそうで怖いですが、頑張ります!(私自身、ゆゆさんの作品を幾つか拝見させて頂いているので、コメント来た時にすごく驚きました(笑)本当にありがとうございます。) (2020年1月25日 20時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - おおおお……曲の雰囲気を壊さずに世界観をぐわーっと広げていてとっても読みやすいです。私の求めていた作品見つけられた気がしてます笑 更新頑張ってください〜! (2020年1月25日 10時) (レス) id: 1ae9e757ea (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - 千景さん» いえいえ、!これからも応援してます…! (2020年1月20日 19時) (レス) id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
千景(プロフ) - RIKOさん» そう言って頂けて嬉しいです…!!ありがとうございます。 (2020年1月20日 17時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - はじめまして!この作品凄く好きです!!更新頑張って下さい! (2020年1月19日 18時) (レス) id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千景 | 作成日時:2020年1月14日 9時