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『うぅ…』
「このくらい解けないと推薦してもらえないよ」
そう言って私の隣で笑っているのは副担任のころん先生。
青と水色が混じったような髪色と目をしている、イケメン教師だ。ちなみに担当教科は数II。
『でも…』
「ハイハイ、文句言う前にちゃんと解いて」
『先生のいじわる…』
「僕は教師としての職を全うしてるだけだからね」
『先生のパワハラ』
「はぁ?もう一度言ってみな?」
『先生怖い』
「なら黙って解く!」
放課後の教室なのにロマンチックな雰囲気になることはなく、頬をむにーっと引っ張られ、目の前には半分怒っている先生の顔がある。
『いひゃい』
「もうこんなことされたくないだろ?」
『ころん先生にならいいよ?』
「はぁ…」
ため息をつく姿も様になるなぁなんて。
そんな先生に質問を投げかけてみた。
『先生』
「ん?」
『どうしたら私に"キス"してくれますか?』
そうしたら、先生は1回目を見開いてから私に聞こえるくらいの大きさでため息をついた。
「どうやってもするわけないだろ」
『お願い』
そう言うと、先生はんーと少し唸ってから口角を上げた。
「次のテストで数II100点とれたらしてあげよっか?」
『…ほんとですか?』
「ほんと」
『私、本気出しますからね!』
「その本気をいつも出してよ(笑)」
約束、と小指を差し出すと先生は絡めてくれる。
「約束」
私の大好きな声が夕日に照らされて赤く染った室内に溶け込んでいく。
やっぱりすきだなぁ…
そんなことを本人の前で思ってしまっている自分が恥ずかしくて、目の前の先生から目を逸らした。
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千景(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございます…曲自体が素敵な歌なので、雰囲気壊しそうで怖いですが、頑張ります!(私自身、ゆゆさんの作品を幾つか拝見させて頂いているので、コメント来た時にすごく驚きました(笑)本当にありがとうございます。) (2020年1月25日 20時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - おおおお……曲の雰囲気を壊さずに世界観をぐわーっと広げていてとっても読みやすいです。私の求めていた作品見つけられた気がしてます笑 更新頑張ってください〜! (2020年1月25日 10時) (レス) id: 1ae9e757ea (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - 千景さん» いえいえ、!これからも応援してます…! (2020年1月20日 19時) (レス) id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
千景(プロフ) - RIKOさん» そう言って頂けて嬉しいです…!!ありがとうございます。 (2020年1月20日 17時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - はじめまして!この作品凄く好きです!!更新頑張って下さい! (2020年1月19日 18時) (レス) id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千景 | 作成日時:2020年1月14日 9時