time sharing house～日常茶飯事～ (ページ22)

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　俺と侑李は、ただの幼馴染じゃない。
お互いに幼馴染に対してとは違う、特別な感情を抱いている。

　俺が侑李に向けているのは、恋情で。
侑李から俺に向けられているのも、同じだと思っている。
少なくとも、同性の友人へ向ける友情とは違うって言い切れる。

　けど、恋人ではない。
感情の名前が同じものだろうっていう曖昧な言い方なのは、口に出して確認し合っていないから。
ただ明確にしていないけど、感じ合っているものから確信しているというだけ。

　どうしてそんな微妙な関係性なのか。
確信しているなら、きっちり“好き”だと口にしてしまえばいい。

　分かっているけど、それをするべきじゃないと思っているからしないんだ。

　俺も、侑李も。

　俺たちはまだ中学２年生で、これからいろんな人と関わっていく。
ここへ来るまでは感情が閉鎖的なところに囚われていて、外へ目を向けている余裕がなかった。
お互いしか近くに居なくて、お互いしか信頼していなくて。

　そんな中で育った感情だから、これが正解なのかも分からない。
他を知らないから、正しいのか誤りなのか、誰も教えてもくれなかった。