・プレゼント(in)※hkin ページ6
今日は世間から見ればなんの変哲もない、ただの平日だ。
でも俺個人としては一年の間でも、特別な日――誕生日。
実際、誕生日だからって浮かれたりすることないんだけど。
祝ってもらってうれしくない、とかじゃないよ。
どうでもいい連中に祝われたって煩わしいだけだけど、ハウスのメンバーに祝ってもらうのは素直にうれしい。
今朝だってハウスを出てくるまでに起きていたメンバーにはおめでとうって言ってもらった。
当然だけど一番初めに言ってくれたのは光だ。
夜眠る前、日付が変わったときにぎゅって抱き締められながら耳元で―――
って、ダメダメ。
いま思い出しても顔どころか身体が熱くなるくらい恥ずかしい。
そんな俺が挙動不審だったのか、隣にいた友人がなんとも微妙な表情をしている。
いまさら取り繕ったところで遅いかもしれないけど、なんでもないよって顔をして。
ポケットへ入れていた、さっき微かに震えたスマホを取り出した。
『もうすぐ着くよ』
シンプルなメッセージを見て、ほわり頬が弛む。
自分でもだらしのない顔になっている自覚はあるけど、仕方ないでしょ。
友人以外の誰も見てないんだからいいや、って若干開き直ったりもして。
普段大学に通うときに使っている鞄と、ほんとは今日持って帰りたくないけど週末の土日に必要な卒論用の資料が入ったトートバッグを両手に持って。
スマホを見た俺の顔でいろいろ察したらしい友人と連れたって講義棟を出る。
昼休みの時間に入ってから暫く経ったいま、外に居る人影も疎らで。
門のほうへ歩いていくと、そこには既に待ち人の姿があった。
「いのちゃん、お疲れさま」
「ひかる!」
遠目でひらひら手を振っていた光へ足早に駆け寄って。
正面に立てばするりと撫でられる頭と頬。
お疲れって言ってくれる光の笑顔につられて俺も笑みを浮かべた。
「じゃ、先にご飯食べに行こっか」
重そうだね、とさり気なくトートバッグを俺の手から取った光は。
一緒に行く?と控えめに後ろに立っていた友人にも声を掛けて。
一瞬その存在を忘れ掛けていた俺も、どうする?って振り返れば。
そんな野暮なことはしません、と笑顔で言い切った友人とはその場で別れ。
軽く光に手を引かれる形で大学を後にした。
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晶(プロフ) - 麻李有さん» こんばんは。さっそくお読み頂きありがとうございます。お好きな展開になっていて良かったです。今後もどうぞお付き合い下さい (8月28日 20時) (レス) id: ff1d608c56 (このIDを非表示/違反報告)
麻李有(プロフ) - こんばんは、遅い時間にごめんなさい。先日リクエストをさせて頂いた者です。こんなに早く書いていただき本当にありがとうございました!とてもとても面白くて私が好きな展開のお話でした。本当にありがとうございました。また次のお話も楽しみにしています。 (8月27日 23時) (レス) @page49 id: 6cf1168dd8 (このIDを非表示/違反報告)
麻李有(プロフ) - リクエスト了承いただきありがとうございます!いつまででも待ちます。ご無理だけはなさらないで下さい。楽しみに待っています! (8月17日 21時) (レス) id: 6cf1168dd8 (このIDを非表示/違反報告)
晶(プロフ) - トーストさん» とんでもないです。むしろなかなか思い浮かばず、出来の悪いもになってしまって申し訳なかったです。これからものんびり、お題消化していけるように頑張ります<(_ _)> (8月15日 12時) (レス) id: ff1d608c56 (このIDを非表示/違反報告)
晶(プロフ) - 麻李有さん» 改めてコメントありがとうございます。また、ご理解頂けたようで良かったです。リクエストの件、承りました。時間掛かるかもしれませんが、お待ち頂ければ幸いです。よろしくお願いします。 (8月15日 12時) (レス) id: ff1d608c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:晶 | 作成日時:2022年8月1日 1時