６１ 呪いの言葉 ページ28
緑谷side
「今年度雄英体育祭、1年の全日程が終了！それではこれより、表彰式に移ります！」
花火が盛大に打ち上げられ、入賞した人達が姿を現した……んだけど、1位のかっちゃんは壇上で拘束されている。
「皆さん知っての通りもう1人天宮Aさんが入賞者なんだけど、ちょっとおうちの事情で早退になっちゃったのでご了承くださいな。」
天宮さん、どうしたんだろう。折角決勝まで行ったのに…。
それに飯田君も。
＿＿＿＿＿
『麗日くん、緑谷くん…突然だが僕は早退させてもらう。
兄が敵にやられた。』
＿＿＿＿＿
無事でいてくれ…。
Aside
特級呪霊が出たと知らせを受け体育祭を放り出し伊地知さんと共に任務に向かったが、実際の呪霊の等級は準一級程度だった。
その後伊地知さんの所へ戻るはずが、案の定入り組んだ裏路地らしき場所で迷子になってしまった。
「こんな事なら伊地知さんを近くまで連れてきたらよかったな。」
「ゔぅ……。」
すぐ近くから聞こえてきた唸り声。誰かいるのだろうか？
周りを見渡しても誰もいない。
気のせいかと思い出口だと思う方に進んでいくと前方に倒れている男の人がいた。
服装を見る感じこの男性はヒーローだと思う。
「大丈夫ですか？救急車呼んどきますね。」
「…ゔ…。」
「……。」
傷口から見てこれは呪霊にやられた傷ではない。
恐らく通り魔に刺されたか、最近よくニュースに出ている例のヒーロー殺しの仕業だろう。
ニュースを見てもふーん。としか思っていなかったが、どうせなら私の知らないところでやってほしい。
「…ゔぅ……てん…ゃ。」
てんや？誰だろう？家族かな？
「…しょうがないなぁ。」
Aが個性を使うと男は光に包まれ、みるみるうちに傷が治っていった。
残念ながら個性の方は治らなかったみたいだ。
救急車を呼んだ時場所を聞かれたが、こちらも迷子中なので場所を聞かれたってわからない。
適当に『保須の裏路地らしき場所』って言って切っといた。
「さーて、伊地知さん探そ。」
私が歩き始めると後ろから微かに「ありがとう。」という言葉が聞こえた。
お礼の言葉なんて久しぶりに言われた。
『あんたなんか産まれてこなかったらよかったのに！！』
この言葉は誰に言われたんだっけ？
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レナ - 面白い！大好きです！ (2022年11月6日 16時) (
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作者名：ゆずき | 作成日時：2022年10月23日 22時
