幻の柱 藤柱

拾参話 ページ16

義勇side

気絶させた兄の方が先に起きた。

義「起きたか？」

少「…っ…」

警戒しているな…まぁ、いい

義「狭霧山の麓に住んでいる、鱗滝左近次という老人を訪ねろ」

義「冨岡義勇に言われて来たと言え」

『あと、藤宮Aにも言われたともね！』

義「Aは言わなくていい」

『えー、礼儀だよ礼儀！』

義「はぁ、今は日が差していないが、妹を日の下へ連れ出すなよ」

そして、俺たちは産屋敷へと向かった。

それと同時に鱗滝さんに手紙を送った。

「鱗滝左近次殿。役経、鬼殺になりたいという少年をそちらへ向かわせました。丸腰で私に挑んでくる度胸があります。また、鬼になった妹がおり、その妹は人を襲わないと判断しました。この2人は何か他とは違うものを感じます。少年は貴方と同じく鼻が効くようです。もしかしたら、突破して受け継ぐことができるかも知れません。どうか育てて頂きたい。手前勝手な願いとは承知しておりますが、何卒ご了承。早々、冨岡義勇、藤宮A」

後は、少年の努力次第だ。

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