さらば平穏な日々よ

再会 ページ29

「もう仲良くなったの？」
パーカーのポケットに手を入れたままチシヤが話しかける。

「あかん、ここ最近で1番笑ったわ」
あんたのツレおもろいねんてとチシヤに話しかけるクイナ。

「せや、名前なんやった」

そういえばまだ名乗っていなかった。改めて名前を言いよろしくと言うとおん！と威勢よく手を差し出された。ぎゅっと握ると2人とも顔を見合わせ微笑んだ。

「おい！No.2が帰って来たぞ！」騒がしかったプールが急にしぃんとなり誰かの声が響く。人々が性急に道を開けその中を歩いてくるライフル銃を担いだ男と…

「スペードの時の…」
見覚えのある姿だった。

「ビーチで平穏に過ごしたいなら、あいつらには関わらんことやで」
クイナがA耳元に口を寄せ囁く。

遠目から武闘派の連中を目で追っていると、人と人の間を割って牽制するような目つきで、通り過ぎていった。しばらく沈黙した後、プールはまた騒がしさを取り戻していった。

プールが活気を取り戻す中、武闘派をずっと目で追っている男女が目に入った。遠目からだったがそれがアリスとうさぎであることが一目瞭然だった。

「アリス君…！」

「なんや、知り合いなんか？」
スペードのゲームの時に一緒だったことをクイナに言う。
2人のことにチシヤも気づいてるはずだとチシヤの方を見ると、何かを観察しているような目でアリスのことを見つめていた。

2人→←勘違い

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