序章 ページ2
人が死んでいく。たくさんの人が。
あまりに現実味がなく、ただそれをみつめるばかりだった。どこか遠い出来事のようだだた。
1ミリたりとも目が離せず、足は固まったままだった。まるで自分の足じゃないみたいな。
自分の鼓動だけが鮮明で、絹を裂くような悲鳴は徐々に力を失い消えていく。
「はぁっはぁっ」
息荒く未だ状況を理解できないでいると1人の男に話しかけられた。
「逃げろ…逃げろ…」
半身がなくどうやって立っているのか分からなかったが片眼は確かに私を捉えていた。それだけ言うとふっと事切れたように地面に崩れ落ちた。
逃げろ、その言葉に弾かれるように走り出した。確かなことはここにいたら死が待っているだけ。私に残された選択肢は一つだけだった。
…随分時間が経った。
運が良かったのだろう。私は生き残ったようだった。無機質な画面に「こんぐらっちゅれいしょん」と表示される。
自分がなぜ生きているのかも分からなかったがこの恐怖から逃れられたことに安堵した。”これ”が始まる前に同い年くらいの女の子が言っていた。
「ゲーム」
ゲーム…私が知ってるゲームとは随分違うな。自嘲するように笑った。
とりあえず、この世界がなんなのか知らないといけない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かえで(プロフ) - おこめさん» えー！ありがとうございます！見ていてくださってたんですね。めちゃくちゃ嬉しいです…！今後ともよろしくお願いします！ (2023年2月20日 23時) (
レス) id: 8a349644e1 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - かえでさん初めまして！いつも楽しく拝読させていただいております！更新頑張ってください。陰ながら応援しております^ᴗ͈ˬᴗ͈^♡ (2023年2月20日 22時) (レス) id: 9157f8724a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かえで | 作成日時：2023年2月8日 19時
