〇〇しないと出られない血鬼術

しのぶさんと腕相撲 ページ8

【腕相撲をしないと出られない部屋】



あかんやつ、これ。


私はそろり隣にいる人物、蟲柱のしのぶさんを見た。


以前、柱同士の暇つぶしで行った腕相撲大会。


勿論私も、審判として参加しました。


皆さまいい勝負だったのですが……


しのぶさんは断トツのビリッけつ。


柱の中の最弱だった。

そこら辺の隊士に比べたら強い。


でも、私は柱の次に強い隊士で、蜜璃さんと腕相撲勝負で勝ったこともある。


何がまずいかといったら、目下の私がしのぶさんに勝つと、しのぶさんのプライドとか


自信喪失に繋がるのではと思ってること。


「A、早く出ましょう」


にこやかにしのぶさんが言う。


こちらの苦労も知らないで！

私たちは、手を合わせた。


「手加減はいりません」


しのぶさんはなぜか自信に満ちていた。


(もしかし、しのぶさん。大会の時は全力じゃなかったのでは？


能ある鷹は爪を隠すってやつ！


この自信はきっとそうだよ！)


と決まれば、手加減する必要なし！



「よーい…」


『ドン！』



________________________

勝負は一瞬でついた。


「……」←負けた人

『……』←勝った人


なぜ、しのぶさんはあんなに自信満々だったのだろうか。


でも、私に負けた時の顔、とても可愛かった。


『……あの、しのぶさん。さっきのしのぶさんとてもかわい___』



「それ以上発言するなら……薬を処方します」


『申し訳ありませんでした。』



怖い。


私がもし鬼だったとしても、しのぶさんにだけは殺されたくないな。


なんて考えているとしのぶさんの耳がほんのり赤いことに気づいた。



(もしかして…照れてる？)


そんな蟲柱のしのぶさんが可愛くて、私は




『やっぱり、しのぶさんは、可愛いです！』……他のお話を見つけて楽しんでね！



怖いから黙っておく……「怖くありませんよ、もう」

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