【stpr】Mafia Princess 【紫】

Episode８【起床】 ページ10

ころんが言葉を言い終わる前に、エレベーターが閉まって上に上がって行った




ばいば〜い…




るぅとの服を離し、小さく手を振る




クルッ




『…！』




るぅとはエレベーターのボタンから手を離すと、クルリと振り返って私を見た




るぅと「全く…馬鹿じゃないんですから、ちゃんところんの面倒見て下さいね？」




『はい、ごめんなさい…』




小さく頭を下げる




るぅと「分かれば良いです、もう遅いですから部屋に戻って下さい、ボスに告げ口はしませんから」




そう言い残して、るぅとは廊下を歩いて行った




私も途中まで後ろをついていって、廊下の横に並ぶ自分の部屋のドアノブに手をかけた




けど開ける前に、まだ廊下を歩くるぅとを見る




『るぅと!!』




るぅと「…？」




振り返ったるぅとに微笑む




『ありがとっ』




るぅと「…！……おやすみなさい」




るぅとは小さく微笑んでから、奥の部屋に入って行った




『おやすみ…』




私も自室に入り、ネグリジェに着替えてからベッドへと潜った




ーーーーー
『う〜ん…』




寝返りをするとサワサワと布団が擦れる音が聞こえる




そろそろ起きなきゃ…




重い瞼を開きながら前を見る




スマホのアラームが鳴る前に止めようとしたけど、何かに遮られていて手が動かない




『ん〜…？』




なにこれ…？寝ぼけてて何か分からない…




「起きるの…？」




『…!?』




突然後ろから聞こえてきた眠たそうな声




やっと眠気が覚めて目が開く




状況も読めてきて、だんだんと心に何かが込み上げてくる




私は自分のベッドで寝てる




寝やすいように黒のレースと、ワインレッドのシルク生地で出来たネグリジェを着てる




そして後ろから熱が伝わってくる




手は後ろから伸びる腕で抱きしめられるように固定されてる




そしてこの声…




乙女が聞けば一発で惚れるイケボ




『さとみ…くん…？』




さとみくん「ん〜…ねぇ、まだ寝てようよ…」




ますます後ろから抱きしめてくるさとみくん




そして足が絡まろうとした瞬間に、私の心に込み上げて来ていたものが溢れた




『きゃあぁぁぁぁぁ!!!!!』




さとみくん「うわぁ…！」




私は急いでベッドから逃げ出す




部屋は地下で窓が無いから真っ暗




ドンっ!!!




パチッ!!




「どうしたの!?」




突然ドアがぶち壊れる勢いで開き、電気がついた

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