【stpr】彦星の裏切り 【赤】

２３話 【喜ばない】 ページ25

ちょっと嫌な事思い出しちゃった…




『あぁ…うん、遠距離恋愛だからね…色々あるけど、私は莉犬くんが大好きだよ』




なーくん「…？おぉん…そっか、莉犬くんもAちゃんが大好きだよ」




…！




歩いていた足が止まる、それになーくんが気付き振り返る




なーくん「どうしたの？」




『ううん、莉犬くん…「大好き」だなんて最近言ってくれないから吃驚しちゃって』




私は笑顔を作った




なーくん「そっかそっか、莉犬くんは甘え上手なようで恥ずかしがり屋さんだからね」




なーくんも笑ってまた歩き始めた




かと思ったら今度はなーくんが足を止めた




『…？なーく…』




なーくん「会う!?」




『え…？』




食い気味に言ってきたなーくん




なーくん「莉犬くんに会う!?」




何で急に…そんな…？




『なーくん？』




なーくん「だって誕生日以来会ってないんでしょ？」




『うん…』




でもそもそも、会えるなんて期待してな…




なーくん「なら尚更だよ！莉犬くん絶対喜ぶよ!!」




……そんな事無いんだよ…




だって莉犬くんは…




『喜ばないよ…わざわざ会いになんて来てくれない…』




なーくん「居るんだよ？ここに」




はい…？「ここに居る」…？




なーくん「すとぷり会議があったから、メンバー皆居るよ？」




『あっ…そうなんだ』




なーくん「それに、一年に一回しか会えない大好きな彼女にまた会えるのを、喜ばない彼氏なんていないよ」




『でも…』




なーくん「よし行こう!!」




ガシッ




『うわぁ！ちょっとなーくん!?』




なーくんは私の手をとって半ば強引に走った




『なーくん!!なーくん!?』




駄目だ…聞く耳持ってくれない…




喜んでなんてくれないのに…




でも…




会いたいと思ってしまうのは…私が馬鹿だから…？




ーーーーー
なーくん「この部屋だよ〜」




そう言いながらなーくんが部屋の扉を開ける




開いた瞬間ゲラゲラと笑い声が聞こえてきた




「あっ！なーくんおかえりなさ…って！えぇ!!?」




驚きながら私達の元に走ってきたのは…




『るぅとくん…！』




電話でいつも助けてくれたるぅとくん…




『久しぶり…』




私が手を少し振ると、るぅとくんは笑顔でその手を握った




るぅとくん「久しぶり！会えて嬉しいよAちゃん!!」




るぅとくんがそう言うと、ソファーに座っていたメンバーの皆が驚いたようにこっちを見た

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