【鬼滅の刃】偶然、または必然か・参【ハンターハンター】

103話　記憶 ページ19

バサバサという鳥の羽音で目が覚める

太陽は既に高く上っており、時刻は11時前後というところか



「主よ、新たな任務だ...竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助等の助太刀に向かえ...｣

『次の日にはもう任務なのか...まあ、仕方ないね

　 ありがとう七玩丸、休んでいて良いよ』



そっと布団から抜け出して隊服に着替えると、どうやら無一郎君も起きたらしい

後ろから声をかけられた



「あれ、Aはもう行くの？｣

『うん、もう任務が来ちゃったからね』



刀と拳銃、そしてお面を着けて立ち上がろうとすると、無一郎君に羽織を掴まれた

不安そうな、寂しそうな思いを宿らせた瞳に、思わず目を背けたくなる


そんな顔されても、任務は任務だからな...



「やだ、行かないで｣

『ごめんね、それでも行かなきゃならないんだよ』

「.......だって、僕はきっとAのことも

　 忘れちゃう、から......｣



ぼそぼそと呟いて俯く無一郎君

そりゃあ、不安だよな

せっかく知り合えたのにまた忘れてしまうんだから


でも、どうしたものかなぁ


困って首を捻ると、唐突に頭にアイデアが浮かんできた



『ねえねえ無一郎君、上向いて』

「な、に...え？｣



言われるがまま顔を上げた無一郎君に私が着けていた狐のお面を着ける

驚いたように目を見開く無一郎君の頬を、手のひらでするりと撫でた



『これ、あげるよ

　 きっと無一郎君を守って、幸せにしてくれるから』

「厄徐の面、だったっけ｣

『そうそう、一人の時は絶対にそれを持ってて？悲しい気持ちを吹き飛ばしてくれる』



ニコリと微笑みかけると、気まずそうに視線を反らされた

え、悲しいんだが...


まあ、いつまでもここにいるわけにもいかないからな

そう思い、今度こそ立ち上がる



『またね無一郎君、次に会ったときは紙飛行機の作り方教えてよ』

「じゃあ...その時まで死なないでよ｣



ムスッとしながらも手を振ってくれる無一郎君に小さく手を振り返し

藤の花の家紋から立ち去る


次は、炭治郎と善逸、それに伊之助君との合同任務か...楽しめそうだね



『さあ七玩丸、道案内をよろしくね』

「主のためならお安いご用だ...｣



「次に会ったとき｣があるかなんてわからないし、その時は無一郎君は私のことを覚えていないけど

また、会えたら良いな


その日のとても暖かくて、外を移動するのにちょうど良い気温だった

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