【鬼滅の刃】偶然、または必然か・参【ハンターハンター】

117話　先輩 ページ38

彼が繰り出した技は落ちる衝撃を和らげ、私たちは華麗に着地する

まあ、その後に彼が倒れたので私も道連れになってしまったが



『庇っていただいてありがとうございます

　 ところで、傷の具合は？出血が多いですね、一番大きな傷はどこですか』

「え？あ、えっと...肩の傷が一番大きいと思うが｣



唖然としている彼の体を起こし肩の部分の布を引き裂く

少し隊服が勿体ないが、もう破れてしまっているので良しとしよう


そっと傷口に手をやり、あまり気は進まないが能力を使う

"癒しの光(カラーシアター)"


その様子を見て、彼は大きく目を見開いた



「えっ傷が...えっ！？き、君は何者なんだ！？｣

『？...あ、もしかしてまだ名乗ってませんでしたっけ？私は癸の流星Aです

　 以後お見知りおきを』

「あ、うん？...俺は堀(ﾎﾘ)、よろしく？｣



平然とした私と答えた私を見て戸惑っている彼(以後堀さん)

肩の傷は治したことだし、他に大きな怪我はなさそうなのでもう大丈夫だろう

まあ、多少貧血ではあるだろうが



「なあ、君は本当に癸なのか？明らかに君の動きは...「ヒッ、誰だ！？って、堀？堀じゃないか！｣

「あぁ！！村田ぁ！！お前、無事だったのか！？｣

『え、あのー...どちら様で？』



堀さんを立たせようと手を引くと、後ろの茂みから誰かが顔を出した

おそらく堀さんと同年代であろう黒髪の男性...鬼殺隊だな、隊服を着ているし

ただ、こちらもかなり疲れきった様子だ



「俺は堀と一緒に任務に来ていた村田だ...君は？｣

『そうですか、私は流星Aです』



普段ならにこやかに握手を交わすところだが、今はそんな状況ではないことはわかっている

ふむ...この二人なら、離れても問題なさそうだな


そう思い、一歩後ろに下がって二人を交互に見る



『私はもっと奥に向かおうと思います、まだ人の気配がするので

　 お二人は、蜘蛛の糸に気をつけて...怪我はしないように』


彼らの瞳には恐怖、怒り、驚き、悲しみ

色々な感情が混ざりあっているが、それでも諦めの目はしていなかった

大丈夫、私は私のやるべきことをやらなくては



「わ、わかった！あの、ところで君が今使った力はなんだ？｣

『魔法、とでも言っておきますかね

　 耳に花札の飾りを着けた男の子が来たら、「無事でいて｣とお伝えください』



最後に二人に頭を下げて山奥へと走り出す



「あの子、本当に癸かよ｣



そんな呟きは、私の耳には届かなかった

118話　白の鬼の子→←116話　那田蜘蛛山

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す