68話 白と黒 ページ31
「二人ともこの面をつけていけ、悪いことから守ってくれる｣
そう言って、鱗滝さんは私と炭治郎に狐のお面を渡した
私の面の頬には蜘蛛の形が書いてあり、昔の私を思わせる
鱗滝さん、前に頼んだの覚えてくれてたんだ...
ありがとうございます、と頭を下げてから、お面をつけた
今日はいよいよ最終選別当日
出来上がった蜘蛛の服と義勇さんに買ってもらった羽織
そして自分で購入した桜の耳飾りをつけた
『それでは、行って参ります』
「鱗滝さん行ってきます！錆兎と真菰によろしく！｣
勢いよく走り出した炭治郎を追いかけて、私も地面を蹴る
そうか、炭治郎はまだ錆兎たちがすでに死んでいることを知らない
だからよろしくと...
『炭治郎、何があっても生きて帰ろうね』
「あぁ、当たり前だ｣
まだ冷たい朝の空気が私と炭治郎を包み込んでいた
最終選別が行われる場所、藤襲山
『わぁ...藤の花が綺麗ね、炭治郎』
「そうだな、咲く時期じゃないはずなのに...｣
藤の花に囲まれたその山のなかには、飢えた鬼たちが存在している
二人で肩を並べて階段を登ると、そこにはざっと二十人ほどの子供がいた
こんなにたくさんの子供が受けるのか...
でも、おそらくこの中で生き残れるのはほんの数人なはず
周りをグルリと見渡すと、それぞれ白と黒の髪色をした着物の子供が目に留まった
「皆さま、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます
この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込めてあり外にでることはできません｣
「山の麓から中腹にかけておにどもの嫌う藤の花が一年中狂い咲いているからでございます｣
黒髪のおそらく男の子が口を開くと、白髪の女の子も話し出した
どうやらあの二人が進行役らしい
「しかしここから先には藤の花は咲いておりませんから鬼どもがおります
この中で七日間生き抜く｣
「それが最終選別の合格条件でございます｣
「では、いってらっしゃいませ｣
その言葉を合図に一斉に山に入る子供たち
よし、私たちも行かないとな
一つ深呼吸をしてから炭治郎に向き合う
『炭治郎、私たちも山に入ろうか』
「そうだな、行こう｣
先に入っていった子供の背中を追いかけ私と炭治郎も山の中へと歩みを進めた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 208人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セブンス・エイカン(プロフ) - 霧雨魔梨乃さん» 天才だなんてそんなこと...ありまs((失礼しました(土下座)、ありがとうございまぁぁぁぁぁぁす！！！ (2019年10月31日 22時) (
レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
霧雨魔梨乃 - マジでやばい!天才だわぁ。物語作ってけれてありがとう(TOT) (2019年10月31日 21時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - booksさん» 真菰ちゃん可愛いよねぇーーーー！死んでほしくなかったぁぁぁぁ...手鬼許すまじ(怒) (2019年10月31日 7時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
books - 真菰ちゃん…ま″こ″も″ぢゃぁぁん！尊いよぉぉぉーー！ (2019年10月30日 23時) (レス) id: e463963ad8 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - ムーンさん» オッケーです！思いの外生存ルート人気ですね！私も映画は見に行く予定ですが映画館が大洪水になることでしょう... (2019年10月28日 7時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セブンス・エイカン | 作成日時：2019年10月4日 20時
