404話 毒 ページ41
「っ、お前、無惨!!ふざけるなよ!家族も仲間も、皆殺しやがって!!」
「何復活してんだよバカ!往生際が悪いんだよお前!!」
「死ぬ前に、絶対お前に傷つけてやるからな!!覚悟しろボケ!」
_____そうだよ
私の言葉で刀を強く握り直し、無惨に向かっていく仲間たちを見ていた
人は弱く、愚かだけれど
それでも死んでいった人達のために、精一杯生きるのが筋だ
.....鬼殺のために命を落とした先人たちの意思を私たちが今、引き継いでいくべきなのだろう
止まっていた足を動かして、私は隊士たちの前に出る
前に出れば出るほど無惨との距離は近くなり、攻撃に当たる可能性は高くなる
だけど、前に出る
『殺させるかっ......この、外道!!』
「.....チッ、煩わしい小娘が。小癪な真似を.....」
″存在の呼吸 漆ノ型 神左悪右″
″水の呼吸 捌ノ型 滝壺″
「俺の妹に、手は出させない!!」
『!.....義勇、兄さん!ありがとうございます!』
義勇さんが______義勇兄さんが、無理して前に出た私をカバーしてくれる
炭治郎も、伊黒さんも、蜜璃も、他の隊士の皆も同じだ
生き残るため、皆の意思を無駄にしないため
私たち人間は、全員が心を通わせて戦える
皆が1つとなれるからこそ、私たち鬼殺隊は強いのだ
______人間様を、舐めるなよ
余裕綽々と言った様子の無惨が、その言葉を聞いてほんの少し顔を歪めた
バカ野郎、糞野郎
お前なんか、もっとずっと前に死んでしまえば良かったんだ
煉獄様を返せ錆兎を返せ
蔦子姉さんを、炭治郎と禰豆子ちゃんの家族を返せ
鬼殺隊士皆の平穏を、幸せを返せ
「.........ハッ」
しかしその時、ニヤリと薄気味悪い顔で笑った無惨の姿に
私の五感は、どうしようもないほどの恐怖と
体の芯から冷えきるほどの、言葉で表しようのない悪寒を感じ取った
無惨は言う
「即死できた者は幸運だ、即死できなくとも私に傷つけられた者は終わる」
__あれを見ろ
青白く、明らかに人間の物ではない腕を使い、無惨は私の後ろを指差す
.....あの指の先を、見てはいけない
体中が振り向くことを否定して、冷や汗がダラリと流れたのを感じる
だけど_____
『っ.......あ、あぁ』
「残念だったな、存在の呼吸の剣士。
___________竈門炭治郎は、今死んだ」
血を流し倒れた炭治郎の姿を前に、私は体中の震えが止まらなかった
53人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時