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其の百二話 ページ8

泳グ ベカラズ

そう書き記した看板があったのは知っていた。
棄てられた係留用の鎖があちこちにあるからなのか、船が止まっているからか、溺れてしまった今ではどうでもいい。

足に絡む鎖を解こうにも焦ってなかなか腐りが解けない。
そのうち息も苦しくなり、ただ水中で藻掻く。
一瞬だけ水面から手が出るが、もう息が続かない。

もう、無理だ…







ルーシー「何で貴方が行くのよ…」

ルーシーが書類を投げ、Aさんが取りに行った。
のはいい。

「遅い…」

ここから見えているのにAは上がってこない。
不安になりながら待っていると、ある一点が激しく揺れた。
と思えば一瞬だけ彼の手が見え、すぐに沈んだ。

「もしかして…!?」

ルーシー「!ちょっと…嘘でしょ!?」

「助けなきゃ…」

でも僕まで行ったら同じ事になりかねない。
助けを呼ぼうにも周りに人がいない。

どうしよう…

そう呟くと、ルーシーが彼の元へ飛び込んだ。
そして数十秒後、僕の後ろに出てきた。

ルーシーの異能だ。異空間転送という手があったか…

「ルーシー!A!」

ルーシー「げほっ、げほ…」

駆け寄ると、Aは意識を失っていて、ルーシーはAの服をぎゅっと掴んでいた。

「だ、大丈夫…!?」

ルーシー「気を失ってるだけよ…殿方ってこういう方ばかりなの!?」

「また助けてくれたね…ありがとう。白鯨への潜入作戦で約束通り君を助ける心算だった。でも実際は芥川に追われて、墜落の制限時間もあって……御免。出来る限り捜したんだけど」

あった事をありのまま話す。
確かその後に、Aが異能を使って捜してくれたんだよね、そこには居ないって、安心しろって。

「君が居ないと知ってほっとしたよ。Aが何処にいるかも突き止めてくれて、」

ルーシー「復讐なんて口実よ。あたしが働き始めたのは「待ってるから」って約束を守れなかったことを謝るためと、それから…」

「?」

ルーシーが顔を赤くする。
何を言われるんだろう、と言葉を待っていると、激しく咳き込みながらAが目覚めた。

A「ゲホッ…う''…」

「A!大丈夫!?」

A「あつ…し、か…」

ルーシー「目覚めてよかったわ」

水を吐き出し、力なく笑いながらAはルーシーに礼を言う。その顔にルーシーはまた顔を赤くした。

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冷たい人 - 面白いです!!!めちゃ大好きです! (4月17日 22時) (レス) @page13 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - とても面白いです!でもこれで終わりですか?続きが読みたいです! (2018年4月8日 0時) (レス) id: 0d4948deb3 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ - 最初から読ませてもらっています!これで終わりですか?続きがきになるので、更新待ってます! (2018年2月4日 22時) (レス) id: d334659998 (このIDを非表示/違反報告)
Dear(プロフ) - 栗さん» 返信遅くなりましたすみません!ありがとうございます!頑張ります! (2017年7月3日 21時) (レス) id: fdc14bf096 (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しく読ませてもらってます。これからも更新頑張ってください! (2017年6月23日 3時) (レス) id: 6d58c9b9c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Dear | 作成日時:2017年4月19日 21時

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