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其の九十七 ページ3

「あ?ドスト…何?」

森「ドストエフスキーね」

A「はい。例の『白鯨落とし』の黒幕です。『誘 拐屋』を使い捕えさせました」

とある仕事でポートマフィアにいる俺、榎本Aです。こんにちは?

「確か其奴は『死の家の鼠』とかいう盗賊団の頭だろ?」

A「えぇ。ですが、私の手にかかれば溝鼠も同然です」

「Aお前凄いな…」

素直に拍手をする。五月蝿いからやめろと紅葉さんに怒られた。

森「ふむ、もう少し梃子摺ると思ったが…どんな男かね?」

Aは森さんの問に少し考えると、

A「……魂の無い、吸血鬼の様な男……」

と云った。
森さんが聞き返すといえ、何でもと目を伏せて答えた。

A「所詮は寒地鼠の親玉。私の組織の財力を以てすれば賭博場のディーラーから巻き上げるより簡単でした」

紅葉「私の組織、のう……」

森「孰れにせよ、その彼は知る訳だ……マフィアの報復の痛烈さを、身を以てね」

「紅葉さんの所の拷問班に遣らせるのはどうだ?」

な、紅葉さんと目線を送ると、そうじゃのうと森さんを見た。

A「お待ちを。その仕事、私にお任せ頂けませんか」

森「君に?」

胸に手を当て、Aが云う。
途端に、映像が視界に広がった。その映像を片目で見つつ、会話に耳を済ませる。

紅葉「おやおや、張り切るのう。組合戦で真っ先に避難壕に逃げた幹部が」

A「敵に庇われ真っ先に捕らわれた幹部殿より適任では?」

紅葉「それは此奴の良心ゆえの行動じゃろう?」

のう?なんて云って紅葉さんは俺の頭を撫でる。
未だに慣れていない俺は顔を真っ赤にして言葉に詰まる。

A「腐ってもあの組合を欺いた男。対策が必要でしょう。私に考えが、」

森さんは口元で手を組み、じっとAを見る。そして、

森「君の捕らえた鼠、君に任せる」

と云った。善くはない結果になるが…

A「恐悦の至り」

深く頭を下げると、くるりと身を翻してAは出ていった。

紅葉「善いのかえ?あ奴は、……Aは元はマフィアの賭博場を荒らした賭博師。忠誠の欠片も持たぬ男じゃ。多額の上納金で幹部となったがマフィアなど用心棒程度にしか思っておらぬ」

そんな奴でもここ入れるんだ…?それでいいのかマフィア

森「その通り。そして財力もまた力だ。御手並拝見といこうじゃあないか。あ、Aは予見の結果教えてね」

「え?お、おう、おう……」

唐突すぎるぜ森さん…

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冷たい人 - 面白いです!!!めちゃ大好きです! (2023年4月17日 22時) (レス) @page13 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - とても面白いです!でもこれで終わりですか?続きが読みたいです! (2018年4月8日 0時) (レス) id: 0d4948deb3 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ - 最初から読ませてもらっています!これで終わりですか?続きがきになるので、更新待ってます! (2018年2月4日 22時) (レス) id: d334659998 (このIDを非表示/違反報告)
Dear(プロフ) - 栗さん» 返信遅くなりましたすみません!ありがとうございます!頑張ります! (2017年7月3日 21時) (レス) id: fdc14bf096 (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しく読ませてもらってます。これからも更新頑張ってください! (2017年6月23日 3時) (レス) id: 6d58c9b9c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Dear | 作成日時:2017年4月19日 21時

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