陽刀渡神 ページ11
そう言うと、刀剣達は息を飲んだ。
彼らは長く生きている。
その分、全員の父同然である刀の神の子ともなれば、有名なのだろう。
「陽刀渡神なんて、聞いたことない！はったりもいい加減になさい！」
馬鹿者め…。
『“縛”』
「ひぃあ"ぁ」
ちょっとした術で縛ってやると、悲鳴をあげる。
『まだほざくか？』
そう聞けば、さっきとは一転。
手のひらを返す。
「ひぃっ！ごめんなさいごめんなさい！」
『それは、お主の刀たちに行ってやるべきなのではないか？』
刀剣達に謝るよう促すと、反抗する。
「な、なんで！私は何もしてない！！」
ああ、此奴は駄目だ。
＿＿生かしてやる価値などない。
そう判断すると、私は神気を集中させ、審神者に向ける。
それを放つと、審神者に吸収され、審神者の体が爛れていく。
最後には蒸発して、跡形もなくなった。
『…こんのすけ、適当に理由をつけて、審神者が殺された旨を伝えてくるのじゃ』
そう言うが、こんのすけは動かない。
そっと見ると、がたがたと震え、目に涙を浮かべているのが見えた。
＿＿＿ああ、やってしまった。
深呼吸をして、怒りの感情を逃がす。
振り返れば、短刀たちもがたがたと震えていた。
それ以外の刀も、震えてこそいないが、恐怖を隠せていなかった。
＿＿＿可哀想なことをしてしまったか。
やはり、怒るといけない。
その感情しか頭に無くなって、周りに気を使えない。
そのせいで怖がらせてしまっている。
『＿＿こんのすけ』
もう一度優しく声をかけると、ビクッと震えてこちらを見る。
「な、なんでございましょう」
『怖がらせてすまなかったのう。頼みたいことがあるんじゃ』
「…はい、なんでしょう」
優しく撫でながら言うと、聞いてくれた。
『あの審神者の死を伝えて欲しいのじゃ。適当に理由をつけて…』
「…はい！」
やがて元気が戻ってきたのか、空中でくるりと一回転して消えた。
もう一度溜息をつき、怒りの感情を完全に逃がしきる。
そして、そっと振り返った。
『さっきはごめんね、怖がらせちゃって…』
「い、いや、大丈夫だ。…そういや、君は？見習いだと聞いていたんだが」
鶴丸が返してくれた。
『私は陽刀渡神。あなた達の新しい審神者。
この本丸をあの審神者から解放して受け継ぐことになっていたの』
そう自己紹介をすると、皆からは安堵か不安か、分からないが、溜息が聞こえた。
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陽香(プロフ) - 空波さん» ありがとうございます！正直ちゃんと清光のいい子さが伝わるかなと自分の表現力に自信が持てなかったのですが、伝わったようで良かったです。嬉しいコメントありがとうございます (2020年7月24日 7時) (
レス) id: a10faff46c (このIDを非表示/違反報告)
空波 - とっても面白いです！！最後で清光いい子だなぁと感動してしまいました…！ (2020年7月23日 12時) (レス) id: 24df3d328f (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 良かったです！これからもどんどん出していくつもりなので、楽しんでください！ (2020年5月12日 18時) (レス) id: a10faff46c (このIDを非表示/違反報告)
姫那(プロフ) - 推しの2人（兼さんと堀川くん）がでてきてうれしい！ (2020年5月12日 18時) (レス) id: 02928c87bc (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 八重乃 真鈴さん» 応援ありがとうございます！頑張ります！ (2020年5月3日 8時) (レス) id: a10faff46c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽香 | 作成日時：2020年4月12日 10時
