#33 ページ34
そうそう、愛美ちゃんはどこだろ...?
あ、あの子かな...
微かな記憶を頼りに、彼女を見つけ、少し背伸びをする。
教室の隅の席。目立たないような、影のような存在感。
...前の、私みたいだ。
1人で俯いて、読書をしている。
音を立てず、息を潜めて。
派手な子が多いこのクラスでは、パッと見ただけで浮いているのが分かる。
あぁ、可哀想に。
正直に、そう思った。
もっと、愛美ちゃんみたいな子が他にも居るクラスだったら。
少しは、マシだったんだろうな。
それはきっと、本人も思っているだろう。
びくっ。
愛美ちゃんが、私の方を向いた。
やば。変に思われたかな。
批判の声を上げていたのは、あの子なんだ。
そう思うと、なんだか怖くなってしまって。
気がつけば、その場から逃げてしまっていた。
ダメだ、次こそは、話しかけよう。
そう思い、チャイムの音を聴いた私は、焦って自分の席に着いた。
.
.
.
[ 愛美side ]
Aが、うちのクラスに来た。
ちらっと、視線を向けると、クラスの中心的な女の子と会話をしていた。
Aも、その子も、楽しそうに笑っていた。
...いつの間に、仲良くなったの?
そっか。あの子は、Aみたいな可愛い子が好きだもんね。
私みたいな、地味で気持ち悪い女より。
聞きなれていない声が聞こえたからか、
それともAだからか、
皆がAの方を見ていた。
それにAは気づいていないようだ。
あぁ、羨ましい。
スポットライトを浴びることが出来るのは、貴女みたいなお姫様だもんね。
『...あのさ』
「何?」
『数学のワーク、出てないみたいだから、くれる?』
「は?出したよ私」
『えっ?あ、ほんとだ、!ごめん!!』
「ちゃんと確認してから来てよね。ったく。」
『...うん。ごめんね、。』
ふっ。このくらい言った方がいいよね。
私はもう、見下されたりなんか、しない。
私が皆を見下せば、皆は私を見下すことはしないでしょう?
私、頭だけはいいのかも〜?笑笑
.
『意味わかんない!!』
『あれは酷かったな。そこまで言う必要ないのに。』
『ほんとよ。可哀想だから優しくしてやったけど、やっぱ無理だわ。あいつ。』
.
..
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うるさいキメラ - 璋さん» 可能なら、二次キャラになって、推しの唇奪いたい! ヒカル「ヤバい危機が迫ってきた」 (2019年5月21日 15時) (レス) id: bcd44cf1b6 (このIDを非表示/違反報告)
璋 - うるさいキメラさん» それな(おい進級生) (2019年5月20日 1時) (レス) id: 1c29926d87 (このIDを非表示/違反報告)
うるさいキメラ - 璋さん» 勉強したくない(V)o¥o(V) ヒカル「おい受験生」 (2019年4月18日 11時) (レス) id: bcd44cf1b6 (このIDを非表示/違反報告)
璋 - うるさいキメラさん» イチゴちゃんのTwitterならさっき見てきたぜ、奥方。 (2019年3月17日 19時) (レス) id: 1c29926d87 (このIDを非表示/違反報告)
うるさいキメラ - 璋さん» Twitterでは元気らしいぜ、旦那 (2019年3月11日 12時) (レス) id: bcd44cf1b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イチゴソーダ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Ichigo_soda23?s=09
作成日時:2017年11月23日 20時