ルーツメイト 第一章 〈A〉

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そっか
そーだよね

よくわからない焦りからあんな事口走っちゃったけど
勢い込んで友達になってなんて言ったのが今さら恥ずかしくなる

チラリと時計を見ると午後３時25分

……テヒョンの事はとりあえず後にしておこう

今考えたってどうしようもないし
何よりいつ帰れるかもわかんないし


ぐううー…

そんなことを考えていると聞こえてきた音


「……」

「…へへ」


ジミンを見れば恥ずかしそうに目を細めてお腹を押さえている


「…ふふっ」

「今日まだ何にも食べてなくて…」

「そーいえば私も…」


きゅるる…


「……」

「……」

「「……ブハッ！」」


お腹が鳴ったことが恥ずかしくてちょっと下を向きつつ
ふつふつと笑いが込み上げてきた

お腹すくタイミングまで同じなの？
もーなにこれ
おっかしい


「あー…ははっなんか食べる？」

「食べたーい」

「って言ってもなんかあったっけな…」

「なんでもいーよ」


そう言われると困るんだよなぁ、って頭をかきながら冷蔵庫の中を漁ってる

ふふっなんかまだ笑える
それにジミンのジャージ姿ってちょっともっさりしてる
ふふふ


「あ！またあのチヂミ食べたい！作れる？」

「チヂミ？…あー、あれ？」

「めちゃ美味しくてさ、ほんとに全部食べちゃったよ」

「あ、うん。口に合ったなら良かった」

「…食べたいなー」

「……材料あるの？」

「買いに行こうよ」

「…外出るの？」

「うん、ダメ？」

「…ダメってゆーか…」


…なんだかちょっとこわい
ここにいればいつか戻れるかもって思えてきたけど
外に出ても戻れるのかな…


「あ、でも急に向こうに戻っちゃったら大変だね」

「え？」

「突然人が消えたーって大騒ぎになりそう。やっぱ俺が買ってくるから留守番してて」


そう言ってゴソゴソ鞄を漁り出すジミン
中から財布を取り出してポケットに入れた

…そっか、確かに

こーやって変に考えすぎて不安になる私に
気持ちが軽くなる言葉をさらっとくれちゃう

やっぱりジミンの隣って居心地いい


「すぐ帰ってくるからいい子にしててね」

「はーい」

「ぷ。素直ー」

「ふふ。買うもの分かる？」

「……あ」

「もーしっかりしてよ」

「ご、ごめん…」


困惑顔のジミンにまた一通り笑って
簡単なメモ書きを渡す


「これだけあれば他にも作れるから」

「おー」

「いってらっしゃい」

「……」


普通に送り出そうと手を振ると
それを見たジミンは動きを止めた

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