『きゅうじゅうさん。』 ページ48
それからさらに2週間が過ぎたある日、穏やかな昼下がりを皿を洗って過ごしていた。
山賊達が出したんだから自分達で洗えばいいのに、と思いつつだらだらとしていると、長期保存の米やら干し肉やら酒やらが貯蔵されている倉庫の方から物音がした。
野生の猛獣たちか、はたまた空腹の子供3人か。
こっそり様子を見に行ってみると、エースがダダンの飲む酒を持って走っていくところだった。
『あいつは一体何しに行くつもりなんだ？』
酒だけ持っていって1人で飲むとは考えにくいし、そもそも一升瓶のラッパ飲みというアホみたいな絵面を想像すると片腹痛い。
酔っ払ってダダンがよく割ってしまう小さな盃を、大雑把な子供に持っていってやることにするか。
新品を出すと怒られそうなのでヒビの入りかけたものを持っていくことにした。なくなっても何も言われないだろう。
見聞色で探してみると、2人が固まっており、もう一つの気配がそこに向かっているのが分かった。それらが問題児3人だと見当をつけてそこを目指した。
エー「将来の事は将来決めよう。」
サボ「もしかしたら3人バラバラの船出になるかもな！！」
エースがおもむろにダダンの酒を中心の切り株に置いた。
ルフ「あ！ダダンの酒盗んで来たな！？」
サボ「…盗んで来たのはいいんだけどよ…。どうやって飲むんだ？」
エー「あ。」
そういうところだぞ、エース。初めから終わりまで気を抜いちゃダメだろうが。
『…ったく…エースはうっかり者の船長になるつもりなのか？』
ルフ「あっ！Aっ！！」
エー「うぉっA！？」
サボ「いつからいたんだよ…。」
『さて、どこからだろうな。ほら盃持ってきたぞ。』
いらない盃が入った箱ごと持ってきたのは間違いだったか。全部一気にマキノさんところに持っていって処分してもらうつもりだったからしょうがねぇか。
サボ「よし、準備できたぞ。」
3人が切り株を囲んでいるのを、俺は数メートル離れて眺めていた。
コルボ山の悪童3人の小さな“儀式”を見届けるのが(精神だけ)大人のやるべき事だと思う。
エー「…お前ら知ってるか？盃を交わすと“兄弟”になれるんだ。」
ルフ「兄弟〜！？ホントかよー！！」
エー「…おい、なんでそんなところで保護者ヅラしてんだよA。」
『え、俺も？』
ルフ「当然だろ！」
サボ「当たり前だな。」
エー「早く来いって！ほら盃持て！！」
『ええええ。』
いつの間にか兄弟認定されていたらしい。解せぬ。
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インドア女子(プロフ) - コメントありがとうございますー！これからも頑張っていきますので、ぜひともお楽しみください！m(_ _)m (2019年8月14日 20時) (
レス) id: 5407537a6f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - うにゃー！めっさええとこで終わってしもうた！これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年8月13日 19時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：インドア女子 | 作成日時：2019年5月4日 13時
