ワンピの世界に転生した女子のよくある話 PART１ (ページ32)

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『にじゅうはち。』ページ32

おそらく、部屋ではコラさんが燃えてるだろう。今帰っても鎮火作業に参加させられるだけだろうし、外でこのままローと話をしてた方がマシだろう。

『…で、なんで全部ぶっ壊したいんだ？』

ロー「両親も妹も死んだ…！」

『………その白いやつのせいなのか？』

俺がそう言うと、上からものすごい睨まれた。おいロー。今俺の上にいることを忘れんなよ。

よくよく話を聞いてみれば、ローの生まれた街、フレバンスは真っ白な街で、珍しい白鉛がたくさん産出されているところのようだった。

白鉛病は中毒なので他の人に感染しないが、白鉛が少しずつ体内に蓄積されていくことで発症し、子供や孫の世代になるにつれて少しずつ寿命が短くなるらしい。

ロー「…おれはもってあと3年と2ヶ月だ。…親が医者だったからデータを見れば分かる。」

会話の中でそんなことをさりげなくローは言ってきたのでかなり驚いた。そういうのってさりげなく言うもんじゃねぇと思う。

てか、そろそろ降りてくれないか。体が動かせねぇのがしんどいんだわ。

まぁ、とりあえず全部聞いた後で、俺はちゃんと感想を言った。

『足しびれた…。』

ローがはぁ？みたいな顔で見てくるのが辛い。俺は普通だから。着地後のそのままの姿勢でずっと動かないとか鬼畜すぎるだろ。足痺れるのは当然だ。

『え、何だ？感想が欲しかったのか。…うーん。大変だったな！』

ロー「……！」

なんかものすごい睨まれるんだが。なにこの子。めっちゃ怖い。空気読んでない俺が悪いのか。

…うん。ごめんな。

『あー、えっと…、少しでも長生きできるように飯はたくさん食えよ？』

ロー「…。」

次は呆れたような顔をされた。表情筋動かさないタイプの子供らしくてほとんど分からなかったが、上から見下ろされると余計に呆れてる感じがあるからなのか、それで分かった。

空気読んでないことは分かってるんだけど、重い話を聞かされた後の反応って困るし、しょうがないと思う。

『で、まだ降りてくれないのか？』

ロー「チッ…。」

え！？今なんで舌打ちする必要があったんだ！？この子本当に怖い！！

『あー。やっと元に戻れる…。』

ローが俺の上からやっと降りてくれたんで、俺は元に戻ってゆっくりと伸びをした。

ロー「…年寄りが。」

『聞こえてるからなー。』

後ろでぼそっとローが言ってきたので俺にバレていることを教えてあげた。

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