ワンピの世界に転生した女子のよくある話 PART１ (ページ15)

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『じゅういち。』ページ15

ドフラミンゴside

『おいっ！そこのピンクのモフモフ！』

ドフ「あぁ？誰だ。」

子供の声が背後から聞こえておれは振り返った。そこにいたのは白い髪の少女だった。

『ひっ…。お、俺に用があるんだろ！』

そいつはビビリながらも気丈にそう言ってのけた。とんだ変わり者がいたもんだ。

特に用はないはずだが、と思っていると先ほど国王と話した時に出てきた娘だと思い至った。

話をしていると、見た目よりも精神年齢が高いことが伝わってきた。後ろの部下たちがアルビノは危険だと騒いでいるが、そんな事はない。突然変異というだけだ。

『なぜ俺に用があるのか、そして、何の用なのか、詳しく聞かせて貰いたい。うちの家まで来てくれるか。山の中だから少数の方がいいが。』

話を切り替えるように小娘はそういった。おれは条件を飲み、コラソンを連れて山に入った。かなり深い山のようだが、小娘はスイスイと木を避けて登っていた。

ドフ「おい、小娘。」

『何だよ、ピンモフ。』

ドフ「名前は何だ。」

『あ？言ってなかったっけか。そりゃあ悪いことをした。俺はAだ。よろしくな。』

小娘は一段高い場所からはっきりとそう言った。その時、コラソンが滑って山の斜面を転がっていった。

『黒モフのやつ、また滑っていったじゃねぇか。』

小娘はため息をついてから跳ねるように追いかけていった。おれも追いかけるべきか。

『お前はそこにいろ！探すのめんどいからな！』

ビシリと言われ、俺は言われた通りにした。帰ってきたかと思うと草のツルを渡してきたときはかなり驚いたが、やはり手に入れておくべきだと強く思った。

やっとの事で家までたどり着き、小娘とその母親に夕食を振舞われた。母親はかなり小娘を愛しているらしく、小娘が眠りについた後に色々な思い出を語ってくれた。

結局小娘が折れてくれたので船に乗せる事に決まったが、折れなければここにいくらでも居られたのにと少し残念に思うほど料理は美味しかった。

『…やっぱりいらん。』

「いいじゃないの。可愛いわよ。」

『黒とか灰色とか、もっと無難な方が俺には似合ってる。』

小娘にスカートを履かせて嬉しそうにしているところを見ると愛が溢れてしょうがない母親にしか見えない。むくれながらズボンやジャージを手で指しているが、あれはおそらく母親に負ける。

案の定、店から出てきた時にはたくさんの可愛らしい服が入った袋を持っており、小娘は頭が痛いという顔で後ろを歩いていた。