For you (ページ26)

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あれから俺はずっと彼女の傍にいた。

屋敷の周りを確認したけど怪しい人物は1人も現れなくて紫耀の言った通り、Roserは身を引いているのだろう。

彼女は前に比べると大分俺に心を許してきてるようだった。

それから紫耀の言った1年が経った。

「永瀬、どうしてこんなに手紙があるの」

「お嬢様が溜めていたからです」

「記憶に無いわ」

彼女とは前に比べて随分話しやすくなった。そして笑顔も徐々に増えてきている。

可愛いなと思いながら俺は彼女に集中した。

彼女は大量の手紙を1枚ずつ確認していく。すると彼女の手が止まった。

「これ…」

彼女から手紙を貰い、内容を確認した。あの時と同じだ。差出人不明の手紙。

でも内容は前とは違った。

『美しき姫には薔薇を』

綺麗な文字でそれだけ書かれていた。

薔薇と考えると真っ先にRoserが思い浮かんだ。

美しき姫は彼女のことか。

「差出人を確認するので預かっておきます」

「…分かったわ」

彼女はミルクティーを1口飲み手紙を読み始めた。