For you (ページ19)

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久々に再開した俺の好きな人は可愛いの他に美しいという言葉が似合う人になっているなと思った。

彼女のミルクベージュの長い髪が、太陽に照らされて輝いている。

本を読んでいる時の姿は美術館に飾れるほどの絵になっていて、いつまでも眺めていられた。

俺は特に何も命令はされずに、ただそこに立ち尽くしている。

本を読み終わったのか彼女は立ち上がり、棚の1番上にある本を取り出そうとしていた。

もう少しで届きそうだが背伸びをしても取り出すのは難しそうだった。

「これで宜しいですか？」

俺は彼女の後ろから取り出そうとした本を抜いた。

「あ、ありがとう」

彼女はぎこちなく礼をした。

表紙を見ると医学的な内容の本だった。

医学と考えるとあの時がフラッシュバックする。

そういえばまだ彼女の両親を見ていない。

「一つお聞きしたいのですが」

「何？」

俺は聞いてみることにした。

「お嬢様のご両親は今はどちらにいらっしゃいますか」

「両方海外にいる。暫くは戻ってこないわよ」

海外。

自分の娘だけ残して置くのが引っかかる。