For you (ページ2)

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その子と遊んでしばらく時が経った。いつのまにか僕はその子が来るのを待っていて、その子と遊ぶために外に出ていた。

「抜け出してきた！」

青のワンピースに、ひらひらしたリボンを髪に付けて僕の所にやって来た。

「え？大丈夫なん？」

「うん！」

ダンスの練習があるらしいけど逃げてきたらしい。

「そういえばさ、あなたと結構遊んでるけど名前知らないかも」

「たしかに、言ってない」

「なんて名前なの？」

「廉。永瀬廉。」

「廉って言うのね。じゃあこれから廉って呼ぶわね。」

下の名前を呼んでもらうのが何故か嬉しかった。他の人からも呼ばれるけどそれよりも断然に嬉しかった。

「私の名前分かる？」

「分かる。星宮A様」

「当たり」と言い、その子は歯を見せて笑った。

「じゃあ私のこともAで呼んで」

「だめに決まってるやん！お姫さまなんやし」

この子をAって呼んだのが大人にバレたらきっと僕はすごく叱られるだろう。

「私が呼んでって言ったからいいの！ほら！言ってみ」

「………A。」

「うん！」

嬉しそうに笑った顔が太陽の光に丁度照らされて一層きらきらして見えた。

その時に僕は気づいた。

僕はこの子が好きなんだって。