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次の瞬間、胡桃は私の手を掴んで
先生に紹介していた。
どうやら私はもう部活に入る事は決定らしい。
『 ……あまり言いたくないんだ。
廃部は決定事項。覆せない 』
『 …… 』
ついに胡桃が黙り込んでしまった。
彼女が言い返さないという事は諦めたという事だろうか。
『 功績を残せば廃部じゃなくなる 』
「 ……え 」
『 先生!後1週間あれば
世界に誇れる部活にしてみせます!あとギフト券も! 』
『 ……今まで顧問の鍾離先生が頼み込んで
廃部を先延ばしにしていたんだ。
これ以上先延ばしにする事は…… 』
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「 鍾離先生の力って凄い 」
『 わーい!1週間伸びたよ!
これで廃部は阻止〜! 』
「 いやまだ廃部の事実は消えてないんだけど 」
あの後、鍾離先生が部室にやって来て
ディルック先生を何とか説得していた。
だが、これもその場しのぎにしかならない。
「 会議で1週間延期が認められなかったらどうするの?
明日廃部決定だよ 」
『 まぁまぁ、1回座りなよ 』
「 ……なんでそんな落ち着いてるの 」
胡桃は自分の座っている椅子の隣をポンポンと叩き
私に座るよう促した。
勝手に入部させられた私の身にもなって欲しい。
と言いたかったが胡桃のあまりの機嫌のよさに少し躊躇う。
「 ていうか。
オカルト研究部っていっつも何してるの? 」
『 ん〜依頼が来たりするよ 』
「 …依頼?ただの部活に 」
『 保健室からの依頼が多いかな 』
「 ……嫌な予感しかしない 」
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胡桃に連れられ保健室にやってきた。
うちの学校にはあまり霊的なうわさは無いが
聞いた事が無いだけで保健室という特定の場所で
霊的現象が起きているのかもしれない。
『 心海先生〜! 』
「 こんにちは 」
『 あら、胡桃さん。
それにAさんではありませんか
来てくださってありがとうございます 』
養護教諭の珊瑚宮心海先生。
皆からはよく保健室の天使とかなんとか言われている。
天使と呼ばれるには相応しい美しさが故、全員呼び名を疑問に思った事は無いだろう。
『 では今日もお願いして宜しいでしょうか…? 』
『 うん、任せて! 』
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作者名:きゃと | 作成日時:2022年8月24日 21時