魔法？いえいえ呪術です ≪４≫ (ページ17)

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150話ページ17

〈オンボロ寮自室〉

　
　
グリム「うぅ～ん………ムニャムニャ……

見たかぁ、オレ様のスーパーシュートを………」

　
『……』

　
　
　
　

グリムの寝言がうるせぇ…！！
完全に目が覚めてしまい、寝ることが出来なくなってしまった。

はぁ…気分転換に外でも行くか

グリムを起こさないように静かにベッドを降り部屋から出て行った。

　
　
＿＿＿＿＿＿＿

外の空気は冷たいがどこか心地が良い。
芝生の上に寝転び、空を眺める。

雲が一つもないから星が綺麗に見える。

　
　
　
　
　

『お～。めっちゃきれー』

数分、星を眺めているとガサガサと音が鳴り音がした方を警戒していると
角を頭につけた生徒が立っていた。

　
　
　
　
　
　
「……ん？そこにいるのは誰だ？」

『それはこっちの台詞だ。アンタこそ誰だ？』

　
　
　
　

黄緑色の腕章、黄緑色のベスト…
ディアソムニア寮の生徒か。

でも何でこんなところに……

　
　
　
　
　

　
「これは驚いた。お前、人の子か。お前、ここに住んでいるのか？」

『え？あ、そうだけど…』

「そうか……。この館はもう長いこと廃墟だったはず。
独りで静かに過ごせる僕だけの場所として気に入っていたのだがな」

　
　
　
　
　
　
え、何かすげぇ罪悪感。
俺が来る前までお気に入りの場所としてここに来てたってことだよな？

なんか…すみません

　
　
　
　
　
　
『ちょっと諸事情があってこの寮を借りてんだ。
ところで、アンタ誰なんだ？腕章とベストから見るからにディアソムニアなのは分かるが』

「誰って……。僕の事を知らないのか？本当に？……」

　

　
　
　

最初は驚いた顔をしていたが
段々と面白いモノを見つけたと言わんばかりに笑みを浮かべるこの男。

　
　
　
　
「そうか。それはそれは……珍しいな。
お前、名前はなんという？」

　
『龍門寺Aだ』

「リュウモンジAか珍しい響きだな。
僕は……いや、やめておこう。聞かない方がお前の為だ」

『俺は名乗ったのにお前は名乗らないのかよ』

「知ってしまえば、肌に霜が降りる心地がするだろう。
世間知らずに免じて、好きな名前で呼ぶことを許す」

「あ、そう…」

　

「ふぅ…それにしても、人が住み着いてしまったということはもうこの廃墟は廃墟ではない。残念だ。また次の夜の散歩用の廃墟を探さなくては。

では僕はこれで」

　
　
　
そう言うと男は一瞬で姿を消した。
マジで何者だ、アイツ…