貪欲な精神に基づく海賊 《2》

54話 ページ20

リドル「実は、ボクも何か変だと思って、すぐケイトに情報を集めてもらっていたんだ」

ケイト「そしたら怪我してるのがリドルくんやトレイくんみたいな有力選手候補ばかりってことがわかってさ」

『なるほどな、てことは』

リドル「故意に選手候補を狙った犯行とみていいと思う。
それににボクはあの時足をかけられたり背中を押されたりはしていない。
でも……なんていうか、身体が勝手に動いたような感覚があった」





その言葉にユウがピクッ、と反応したのを俺は見逃さなかった





『何か引っかかる事があるのかユウ……』

ユウ「はい。実は他にも怪我をした人達に話を聞いて回ったんです。
そしたら、リドル先輩と同じ事を言っていたんですよ。
"体が勝手に動いた"、"フワッとした"って」





そう、"体が勝手に動いた"
俺の寮の奴らも同じ事を言っていた





エース「つまりマジカルシフト大会でライバルを減らすために強そうな選手を狙って事故らせてるってこと？」

リドル「世界中が注目する大会だ。試合での活躍が将来のキャリアに繋がる以上、
手段を選ばないヤツがいても不思議じゃない」

ケイト「んー。にしても、不思議だね。
風の魔法で後ろから押されたりしたわけじゃないんでしょ？」

リドル「うん。衝撃で落ちたわけじゃない」


ケイト「授業中に怪我した人もいたみたいだし、どういうことなんだろう？」

リドル「それは犯人を捕まえたらゆっくり吐かせればいいさ。
そんなわけで、犯人捜しにボク達も協力するよ」








リドルの申し出に「ありがとうございます！」と言うユウ



ケイト「Aくんも、協力するよね？」

『まぁ、いいだろう。ちょっとした息抜きに
お前等の犯人探しに付き合ってやるよ』








おそらく、俺はこの時悪い顔をしていたと思う

自分の寮の奴らがやられたんだ
犯人が見つかったら落とし前はきっちり取ってもらおう

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